銕仙会定期公演十二月 通小町 千切木 殺生石

d0226702_22345698.jpg銕仙会定期公演12月
2014年12月12日(金)18時より

通小町 かよいこまち
シテ 馬野 正基、ツレ 長山桂三、ワキ 殿田謙吉
笛 一噌 隆之、小鼓 観世新九郎 大鼓柿原崇志
地頭 山本順之

千切木 ちぎりき
シテ 野村 萬斎、アド(当屋)深田博治、(太郎冠者)月崎晴夫、(当屋)竹山悠樹、中村修一、内藤連、岡聡史、(妻)高野和憲

殺生石 せっしょうせき
シテ 観世淳夫、ワキ 則久英志、アイ 石田幸雄
笛 藤田貴寛、小鼓 鳥山直也、大鼓 安福光雄、太鼓 梶谷英樹
地頭 観世銕之亟


寒くなってきましたね。なぜこの季節に通小町を続けて観ることになったのか。ま、綺麗な曲ですけれど。

ワキの殿田。最近とてもノッテいる人。謡が素敵、と思っていたら大鼓の出だした今一つ。後半持ち直しましたが。
修行をしていると毎日来る人がいる、名前を聞いてみようと。
そこにちょうど当の美女登場。この人、中年女性ということだけれど、とても綺麗。
木の実問答の詞章ってきれいだな。

ちょっと眠くなってぼーっと見ていたのですが、本日のシテ方の出来はツレ>シテ>地謡の印象でした。ツレがシテを食っちゃあいけませんよね。
面はシテが近江作の痩男、ツレが北沢耕雲作の若女

千切木は前に東次郎で観ていて面白い曲だな、と思ったのですが、今回はまた間抜けな亭主の野村萬斎とわわしいけれども夫を愛している高野和憲妻、という絶妙の組み合わせ。実は我が家のトイレのカレンダーの写真が同じ組み合わせの石神。
嫌われ者の太郎を誘わずに連歌の会を始めたら、誘いもしないのにやってきて煩い。ということで皆で太郎を踏みつけに。
「けんかに負けたなんてみっともない、この棒持ってやっつけてきなさい!」と言われ、本当は気が弱くてそんなことしたくない太郎は嫌々出かけていく。皆は居留守をつかうので、安心。在宅ならばさんざんに打ち負かしてやるものを、と妻に自慢して「あらー、あなた素敵」と、めでたしめでたし。


殺生石は好きな演目です。派手だし。囃子が若いなーとおもってふと横を見ると、なんだかこれ以上にないくらいに力の入った地謡陣。凄く良かったです。

玄翁道人がやってくる。ベビーフェースの則久英志ですが声はどでかい。鳥が傍に落ちる不思議な石を見ていると怪しい女が近づいてくる。銕仙会次世代トップと決まっている観世淳夫。荷が重いだろうけれど、これだけ経験を積ませてもらうとうまくなるのも速い。教えられたとおりにきっちり女をやっています。10年この調子でやっていくと大化けしそう。後見に座っている野村四郎あたりがしごいているのだろうか。

女は、その石は玉藻前の執心が固まったものだと言い、自分こそがその玉藻前だと言って消えてしまう。消えるところはかっこよく消えましたが、そのあとアイ語りのとき石にさざ波がたつのはいただけないと思います。

何でも知っている小賢しい能力がとうとうと殺生石のいわれを語ります。さすが石田幸雄。今回ワキとアイの装束の色がかぶってしまったのは残念。前もって相談しないのかな、メールとかで。

石から狐(別に頭に狐をのせているわけではありませんが)のお化け登場。この割れ方が何となく凝っていて面白い。蔓桶に座っている化け物を割れ目から少しの間見せる方式。最後に大きく割れて後シテ登場。
若くて勢いの良い囃子と上手な地謡にのって、さすが若者切れが良い。楽しませてくれました。
この人、変声が上手くいっていないか、発声に無理があるか。一度プロ(謡ではなく発声の)に見てもらった方が良いと思いますが、能の人はそんなことしないでしょうね。でも、そのうち声帯ポリープになるよ。

地謡前列の谷本・安藤の二人はちょっと頑張っていて注目しているのですが、この二人、扇をとるときにもあまり姿勢が乱れず、さすがだった。宝生閑もほめてくれるのでは(どこかであまりにはっきり座りなおす地謡は『見苦しい』と言っていたから)。

面は前シテが近江作の萬眉、後シテが中村直彦作の牙飛出。
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by soymedica | 2014-12-16 22:39 | 能楽 | Comments(0)
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