第八回 広忠の會 三番叟 山姥

d0226702_11182557.jpg第八回 広忠の會
2014年12月2日(火)17時より@銕仙会能楽研究所 
8000円

狂言 三番叟
シテ 野村萬斎
笛 一噌幸弘
小鼓 大倉源次郎 鵜沢洋太郎 田邉恭資
大鼓 亀井広忠

一調 桜川
謡 金剛龍謹
大鼓 亀井忠雄

能 山姥
シテ 大島輝久、ツレ 佐々木多門、ワキ 森常好、ワキツレ 館田善博、森常太郎、アイ 野村萬斎
笛 一噌隆之、小鼓 成田達志、大鼓 亀井広忠、太鼓 大川典良
地謡 粟谷能夫 出雲康雅 粟谷明夫 長島茂 友枝雄人 金子敬一郎 内田成信 友枝真也
後見 塩津哲生 狩野了一


30分前に表参道の駅に降り立ち、早く着いたな、と思ったら甘かった。開場直前で長蛇の列。通行人が何事かと見ていく。

萬斎の三番叟。これ目当てに来た人もいるらしい。舞囃子形式だけれど、ちゃんと鈴之段もある。紫の袴ということで何となく正式感あり。

直前にTVで万作の三番叟を観ていたのでその対比が面白かった。萬斎も年取るとああいう風に枯れていくのかな。そして、鈴之段の直面というのも面を切るところとか面白い。ダンスの面白さ。パンフレットの中で広忠が萬斎との三番叟を大事に思っていると書いていたけれど、そういえば私は萬斎―広忠の組み合わせ以外の萬斎の三番叟を観たことが無い。

広忠は薄い色の着物だったのだけれど、ひどく汗をかいているのがわかって、力入っていたなー。
途中で共産党の宣伝カーがけたたましい宣伝をしながら流して行った。こんな場所で熱心に宣伝活動しているから票が伸びないんだよ、と心の中で毒づいていました。


そして一調。金剛龍謹、いつ見てもエキゾチックなハンサム。亀井パパは着物のあわせを何か金属で止めていたように見えたのだけれど…。


休憩の後亀井広忠の挨拶があり、それによると一番の客は10時から並んでいたということ。どうやらそれは萬斎ファンであったらしく「萬斎さんの出が終わっても帰らないでくださいね」と会場の笑いを誘っていました。
で、亀井広忠は大変に暑がりなので会場の暖房は三日間とも使用していなかった、と。それ、前もって言っておくべきじゃなかったの??先日の梅若なんかお年寄りはとても気の毒だったけれど。前もって知っていればやりようもあるだろうに…。自分の芸術を追求すると同時に舞台芸術ではお客さんの事も考えなくっちゃね。


大島輝久の山姥。なぜか本日はワキ一同の調子が今一つだった。
それはともかく善光寺参りする百ま山姥の一行がどの道で行くか、と地元の人に聞き相談した結果、足元は悪いけれど上路を行こうと決定。
歩いて行くと急に暗くなり、泊まらなくては、という事に。そこにいかにも怪しい「のうのう」という声が。赤ずきんちゃんとかヘンゼルとグレーテルとか、森の中には危険がいっぱい、と連想してしまいますよね。

さて、あなたは百ま山姥ですよね、から始まる本当の山姥の長い科白、おどろおどろしくて良かったです。そして百ま山姥は震え声で「もしやあなたは本当の山姥??」というと、そうなのよー、とぐるぐる回って消えてしまいます。

と、また明るくなる。百ま山姥の一行が地元民の萬斎に「山姥とはなんだろう」と聞くと、この人は聞かれたら知りもしないことを答えるラテン系で、荒唐無稽なことを言いだす。最後に「山姥は古い木戸が化けたものでは」と言いだすと、ずーっと不愉快な顔をして聞いていた森常好がぴしゃりと「そりゃちがう」。

ところで、本当にアイが終わったら帰る女性あり。40代後半だと思われるオシャレな女性だったけれど、この人のスマホの振動が響き渡るわ、演能中にLINEやるわと迷惑な人だった。別に萬斎の出が終わったから帰るのではなくてLINEのメッセージに呼ばれて帰ったみたいですが…。

それはともかく後シテ登場。花が中に描かれている大きなウロコ模様の装束で、裾の方は色がぼかしてあるという凝ったもの。白頭が灰色がかっている。

型がとても綺麗。観ていてうっとり。若いのだからもっとグイグイ押しても良いかもしれない。最初の満載のエネルギー爆発があったので、余計におとなし目に感じられました。でも喜多の人気若手というのも納得。頑張ってほしい。

謡は豪華メンバーの割に(期待ほどには)良くなかった。

三の松で終わりになってめでたしめでたし。


パンフレットの作り方とか(三番叟が舞囃子形式であるとの記載が無かったり、初日から配っていた豪華パンフレットの本日の開演時間が間違っていたりとか)何だか素人くさいところはありましたが、楽しめました。

来年は12月22日(火)青山の銕仙会で味方玄の定家だそうです。
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by soymedica | 2014-12-07 11:21 | 能楽 | Comments(0)
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