]銕仙会定期公演11月 仏原 右近左近 車僧


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銕仙会定期公演11月
2014年11月14日(金)18時より@宝生能楽堂
正面席6000円

仏原ほとけのはら
シテ 清水寛二、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、野口能弘、アイ 山本則重
笛 藤田貴寛、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 亀井洋佑
地謡 浅井文義ほか

右近左近おこさこ
シテ 山本泰太郎、妻 山本則孝

車僧くるまぞう
シテ 小早川修、ワキ 御厨誠吾、アイ 山本則秀
笛 寺井宏明、小鼓 幸正昭、大鼓 大倉慶之助、太鼓 小寺真佐人
地謡 西村高夫ほか


とても地味な演目なのに結構人が入っている。ただ、狂言あたりで帰った人がいたのは残念。

仏原。以下は銕仙会のホームページに中司由紀子さんがお書きになっている解説の一部。とても参考になるので、是非本文もすべてご覧になってください。
 『平家物語』に祇王が清盛の前で謡った今様(流行歌)が以下のように記されています。
 仏も昔は凡夫[ぼんぶ]なり 我らも終には仏なり
いづれも仏性[ぶっしょう]具せる身をへだつるのみぞ悲しけれ
物語の中では祇王が、仏御前も同じ人間であるのに清盛が差別しているという意味で謡います。能〈仏原〉では、この今様を元にシテの仏御前をすでに仏性(仏の性質)を持っている存在として設定し、それゆえ仏の原の草木やすべてのものが成仏をするのだという思想を描きます。主題である人仏不二の真理をシテの舞にこめているといえます。
 応永34年(1427)、興福寺大乗院の別当坊猿楽で音阿弥が上演した記録があり、世阿弥周辺で成立したと考えられ、金春禅竹の可能性もあげられています。能作史を研究するうえでポイントとなる作品です。

台小前に上品な藁屋が出される。白山禅定を志す僧がふもとにやってくる。今まで感じたことは無かったのだが、宝生欣哉、ギョットするほど謡が閑に似てきた。
すると「ありがたいお経ですこと」と女の声。

面は増女だそうだが、花帽子をかぶっていると印象が凄く変わる。女は祇王祇女と仏御前の話をし、自分こそ仏御前であると仄めかして草堂に消えていく。
不思議に思っていると里人がそれは仏御前の霊でしょうと教えてくれて…。

という話。詞章がとても綺麗なので謡本を買えばよかった。
舞が物凄くゆっくりなのですが綺麗。
笛の調子が今一つ…。
http://www.tessen.org/dictionary/explain/hotokenohara/hotokenohara2011

右近左近は最近何回か見ていますが、この二人も良かった。この気の弱い亭主が昨日観た茂山家の禰宜山伏の禰宜を何となく思い出させる。
終わり方が和泉流と大蔵流とではちょと違う。


車僧は何だかおちゃめな演目。そもそも車に乗っているから車僧っていうネーミングも面白い。モデルがいたのだろうか。
ざっくり言うと、「聖アントニウスの誘惑」の日本版。ただ、誘惑するのはむくつけき天狗。

ワキ座に車が出されて車僧登場。物凄く着付けがきっちりしている上に生地がしっかりしているので何だか後姿がロボットのようでキュート。

山伏に化けた天狗登場。前シテって直面なのね。この人動いているときも静止しているときも姿勢がとても良い。
車僧を誘惑しようとするが偉い坊さんの車僧はびくともしないのでひとまず退散。

手下の溝越天狗登場。コイツ、京都の町の溝を飛び越えたのを自慢したら親分の太郎坊に「当たり前だ!」と怒られてそういう名前になったらしい。自分の名前の由来を自慢げに話し、車僧をくすぐって見たりと落ち着かないやつ。
これも退散。

ついに本来の姿になった天狗の太郎坊がやってきて行比べを挑むけれど、負けて退散、というもの。御厨誠吾、もうちょっと「自分が主役」という感じで存在感を出しても良いと思う。
シテもワキも上手だったけれど、今一つ印象の薄い2人でした。一つには囃子が、特に大鼓があまりに大音声ということがあったかもしれない。もう少し演技や謡に合わせてほしかった。
面は仏原が増女、銘は「越」出目元休。車僧が大癋見、洞水。
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by soymedica | 2014-11-16 13:37 | 能楽 | Comments(0)
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