観世会定期能11月

d0226702_17504228.jpg観世会定期能11月
11月2日(日)中正面席


井筒 物着
シテ 観世清河寿、ワキ 宝生欣哉
笛 一噌仙幸、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 亀井忠雄
後見 木月 上田公威
地謡 角寛次朗ほか


全然行かれるはずでは無かったのだけれど、ぽっかり予定が空いたので、観世清河寿の井筒だけちらっと行ってきました。満席かと思ったら脇正面には空席も。

観世清河寿のシテの時には必ずと言っていいほど後見している上田公威が、今回もしずしずと井筒を運んできました。いつも見ている井筒よりかなり低くて、膝丈を少し越えるくらいの高さ。

まず、旅の僧が登場。これが自分でもそう言っているようにいかにも居所の定まらない人物で、あてどなく歩いているうちに在原寺にたどりついたという風情。このワキはとても難しい役どころかもしれない。本日宝生欣哉で良かった。
で、ワキ僧が、そうか、ここがあの…などと思っていると一人の女登場。

「暁ごとの閼伽の水…」のこの出だしが凄い。ここで見所の心をわしづかみにするのはさすが観世清河寿。何だかなまめかしい訳アリの女性がやってきたな、という感じがありありと。
井筒、私はいつも退屈してしまうのですが、この出だしだけで十分期待させる本日。
そしてあまり重くない欣哉の演技が、この女の出現を促すのだな、と勝手に納得。

「物着」の小書きが付いているときには、衣装を何枚も着込んでいて下居することができないので鬘桶に腰掛けるときいたことがありますが、今回も。
僧と色々やりとりして、「え、貴女がここにいるのは時代考証としておかしいのでは?!?」と言われると女はスーッと井筒の陰に隠れてしまいます。

舞台上で後シテの姿になるのですが、これが結構大変らしい。
その後の舞も素晴らしかったのですが、後半までの緊張が続かなかったのは見ている側なのか、舞っている側なのか。初冠がやや斜めになってしまったので、写真家は困ったろうな。

井戸に自分の姿を映すところ。これは薄を押し分けてのぞき込むのではなく、しゃがみこんで井戸のふちに手をかける。物着のときにはこれをするのがふつうだそうだけれど、前にこの小書きでみたときには違ったような。
この姿がとても綺麗。鏡をみて練習するのは邪道だそうですが、どうやって練習するのだろうか。

最後にゆっくりと帰って行きます。
実は今まで井筒って面白いと思って観たことがないのですが、今回は面白かった。家に帰って改めてゆっくりと謡曲集の井筒のところを読もうかな、と思いました。
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by soymedica | 2014-11-03 17:52 | 能楽 | Comments(0)
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