銕仙会定期公演九月 采女 月見座頭 鵜飼

d0226702_2235252.jpg銕仙会九月定期公演
9月12日(金)18時より@宝生能楽堂
正面席 6000円

采女 美奈保之伝
シテ 観世清河寿、ワキ 宝生閑、ワキツレ 宝生欣哉、大日方寛
アイ 山本則重
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 成田達志、大鼓 柿原弘和
後見 片山九郎右衛門、谷本健吾
地謡 観世銕之丞ほか

月見座頭
シテ 山本東次郎、アド 山本則俊

鵜飼 空之働(むなのはたらき)
シテ 野村四郎、ワキ 殿田謙吉、ワキツレ 典久英志、アイ 山本凛太郎
笛 松田弘之、小鼓 田邊恭資、大鼓 國川純、太鼓 三島元太郎
後見 浅井文義、北浪昭雄
地謡 山本順之ほか



久々の宝生能楽堂。椅子が新しくなっていました。ちょっと座面が深くて奥まで腰かけると足がぎりぎり。隣のお婆さんは完全に足がぶらぶらしていました。座席番号が見やすくなって大変に結構。

美奈保之伝の小書のつかない采女は見たことがないのだが、全部やったらかなり長々したものになるでしょうね。

まず、ワキ方入場。ワキツレが宝生欣哉と大日方寛、やけに豪華なワキツレなのは閑を補佐すると言う意味があるのか、と思っていたら確かに宝生閑、相当にはらはらさせる展開でした。一度は絶句してしまい欣哉がつけていた。ちなみにワキ方の絶句は復帰直後と今回の宝生閑の二度しか見たことが無い。
この先の色々な会の予定を見ると「ワキ 宝生閑」と既に印刷されているものが少ないながら幾つかあるけれど、本当にやるのだろうか。先日の「花もよ」のインタビューでも、インタビューアーの腕のためかもしれないけれど、「幻視の座」のときよりもかなり衰えたな、という感じが。

観世清河寿のシテは前回よりも数段素晴らしい。本人も前回は不満足な出来だったのだろうな、と今日と比較して感じられる。そして笛との相性が抜群。中入りのときのしっとりした感じが素晴らしかった。
後シテはオレンジの袴に深緑に金の模様の入った長絹。もちろん采女の幽霊なんだけれど、ワキ座に座っている宝生閑の方がどちらかというと幽霊じみて見えるのが一寸。
そして、あたかも面が話をしているように口が動いて見える。

後場の地謡の盛り上がりがよかった。最後、三の松で膝をついて水に入るしぐさをするのだけれど、ここでのシテとの息の合い方が素晴らしかったです。

面は前シテが作者不詳のまさかり、後シテが小夜姫(龍右衛門)。


今回中正面には面白い服装をした人が多いような。太いオレンジのストライプの入ったパンツの男性とか、白いレースで飾られたパンツスーツのおばさまは物凄く盛り上げた髪型(後ろの席の人に迷惑では)。


定期能で山本東次郎シテの月見座頭がみられるなんてラッキー。東次郎家の演技はてらったところが無く、しみじみと面白い。前は国立能楽堂で見たと思うのだけれど、あの白っぽい背景よりはこちらの能楽堂の方が良い感じ。
この人、若いころにはスケートに凝ったと言う話だけれど、足腰の切れもさることながら、手の演技の繊細さが素晴らしい。


この人なしでは今の観世流はあり得ない、野村四郎、の鵜飼。太鼓が物凄く大切にされているけれど、御いくつなのだろう。この曲も囃子がとても良かった。田邉恭資が飛びぬけて若くて頑張っている様子に笑う。(できはとても良かった)。

旅の僧の二人連れがやってきて、土地の若いものに宿を断られる。この若い者、あそこに泊まれ、と川辺の御堂を勧めたくせに「幽霊が出るぞ」と脅かす。僧は「法力があるから大丈夫」とこれまたそっけない返事。ワキツレの則久英志、若くて張りのある声。

あやしい爺さん登場。則久の発声と比べると、年をとるとはこういうことか、と思わせる声ではありますが、はっきりと客席まで届くセリフ。僧の求めに応じで鵜飼の様子を見せるのですが、「あれ、鵜之段ってこんなに短かったけ」と思わせ、もっと見ていたいと思わせる素晴らしい出来。
橋掛かりでぽとんと扇と松明を落としていきます。

長い半幕のあと、地獄の鬼登場。大音声でわめく鬼ではありませんが、これも飽きさせない一場。ずいぶん撫肩に着つけてあるけれど(きっと実際に撫肩なんでしょう)もう少し強そうに着つけても面白いのでは。
黒髪に一筋後ろに白い毛が混じるのがおしゃれ。

久しぶりに野村四郎のシテを見ましたが、大満足。急いで見ないと今の旬が去ってしまう。

面は前シテが三光尉(古元休)、後が小癋見(赤鶴)。
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by soymedica | 2014-09-17 22:37 | 能楽 | Comments(0)
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