白翔会公演 養老 空腕 恋重荷

d0226702_106499.jpg白翔会公演 水・執念
2014年9月6日(土)13時より@国立能楽堂
正面席12000円

連吟 求塚
連吟 砧

養老 水波之伝
シテ 坂井音雅、ツレ(楊柳観音)坂井音隆、(樵翁の子)坂井音晴
ワキ 大日方寛
笛 杉信太朗、小鼓 曽和正博、大鼓 柿原崇志、太鼓 大川典良
後見 武田宗和、藤波重孝
地謡 浅見真州ほか

狂言 空腕
山本泰太郎、山本凛太郎

仕舞 熊坂 観世銕之丞

恋重荷 彩色
シテ 坂井音重、ツレ 坂井音晴、ワキ 福王茂十郎、アイ 山本則孝
笛 一噌庸二、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 小寺佐七
後見 観世恭秀、坂井音隆
地謡 観世銕之丞ほか


あんまり宣伝した様子もないのに(私が気づかなかっただけかもしれませんが)ほぼ満席。お稽古のお弟子さんが多いのではないかな。森英恵?と思われる方も。
いつもここは豪華なパンフレットくださる。簡単な解説がついているのだが、坂井家の誰か、あるいはお弟子さんが書かれたのでしょうか。名前が入っていないのが残念。詞章が丹念に書かれているので、会場にページをめくる音が響き渡る(私は気にならないけれど)。謡本のあの紙質というのはそういう点で考え抜かれているのですね、音がしない。


養老は大変におめでたい能。敬老の日が近い9月の演目としてふさわしい。親孝行な樵の息子が素晴らしい泉を見つけて両親に飲ませている。そこに勅使がやってきたので水を献上。すると勅使にこたえて観音様と山神が舞を舞う。
前回見たときには水を飲んで若返るアイ狂言が入っていたのですが、(これがなかなか面白い)今回は無しで残念。

まず、勅使が二人の供を従えてやってくる。大日方は学生能から入った人らしいけれども、物凄く上手い。ワキツレは誰だかよくわからなかったけれど、座っているときに妙に体がゆれる。ビシっと座るのは難しいのだな、とわかる。

孝行息子が老父を連れて登場。老父の面のかけ方がちょっと上すぎないかな、と気になる。
何となく前場が冗長。

後の舞は楊柳観音も山神もそれぞれ綺麗でした。


狂言の空腕。主人に夜道を鯉を買いに行って来いと言われた太郎冠者。こわごわ行くので、いもしない強盗や蛇が見えてしまう。大勢の強盗を見たと思って主人の太刀を差し出して命乞い。後ろからついてきてそれを見て腹を立てた主人が家で待ち構えていると、太郎冠者、そうとは知らず自分の武勇伝を…という話。
太郎冠者は難しい役柄だと思うのですが、面白かった。そして主人役の凛太郎クンが好青年に育ったのにびっくり。


恋の重荷。まず女御がしずしずと橋掛かりをやってくるのだが、これは準備のためで「出」じゃないのだから、もう少しスピーディーにでてきてほしいな。
家人が老人に「お前、女御に身分しらずの恋をしているんだって」と。家人が福王パパなので、物凄く重々しくて立派。そして卑しい老人がやけに神々しいのが気になる。

「重荷を持って庭を巡ったらお姫様のお姿を拝めるぞ」と言われ、張り切る老人。後見が肩上げをするのだけれど、折込んでいるだけのように見える(老眼鏡なしで後見の観世恭秀がここをどう乗り切るのか興味津々だったのだけれど)。あれはマジックテープでもついているのだろうか???

結局荷を持ち上げられなくて絶望した老人は死んでしまう。
哀れに思った女御が庭に出て様子を見ると、老人の恨みで立ち上がれない。今回はごく普通に座っていたけれど、もっと前屈みになる演出もあり、色々だな、と思いました。
そして恨み骨髄の老人登場。面が何となくディズニーっぽい感じ。かなり太い枷杖を持っている。最後に捨てて入るのだが、その時の音の感じだと、木に布を巻いてあるもののよう(シリコンかもしれないけれど、量産できないものにそんなものつかわないよね、きっと)。

何となく全体に上品でしたがメリハリを欠いた舞台でした。本当は前場の最後のところなんぞは地謡がもっと緊迫感もって盛り上がってほしかったのだけれど。


なお、正面席ど真ん中でどう考えてもSS席なのだけれど、頂いたチケットには10000円(S席の値段)と書いてあった。前回もそうだったけれど、一般販売との二重価格になっているらしい。そういう複雑な細工はやめたほうが良いと思う。
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by soymedica | 2014-09-07 10:06 | 能楽 | Comments(0)
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