国立能楽堂七月定例公演 磁石 龍田

d0226702_18293538.jpg国立能楽堂七月定例公演
7月25日(金)18時30分より
正面席4900円

狂言 磁石 和泉流 
シテ(すっぱ)野村萬、アド(見附の者)野村万蔵、小アド(宿屋)炭哲男

能 龍田 宝生流
シテ 朝倉俊樹、ワキ 福王和幸、ワキツレ 村瀬提、矢野昌平、アイ 山下浩一郎
笛 藤田次郎、小鼓 幸正昭、大鼓 安福建雄、太鼓 桜井均
後見 宝生和英、渡邊茂人、東川尚史
地謡 武田孝史ほか


久しぶりの国立能楽堂。なんと今回は両側が年寄りでも女の人でもない。(要するに壮年期男性と青年、窮屈である。)
遅れてやってきた太ったオバサンが前を通るとき私の足を思いっきり踏み、しかもそれに気付かないというアクシデントがあったが、休み時間後、おばさん早めに本当に急いで入っていくのを目撃し、許すことにする。

磁石。前に万作のところの若者三人でやるのを見て気に入った演目。今日は萬みずからシテ。田舎者を市でだまして宿屋に売ろうとするすっぱ。田舎者は一瞬騙されるが逆に宿屋の亭主とすっぱをだましてまんまと逃げだすはなし。途中、寝たふりをした万蔵を萬がひょいと飛び越えるところがあるのだが、考えてみるとあの年で凄い。
今回も満足満足。


あらすじを読むと、観光を盛り上げよう、という劇に見えてしまう龍田。旅の僧が三人やってきます。三人が三人ともあまりにイケメンなので、神様も巫女に姿をやつして出てきます、というお話(違ったか)。で、古歌を引くなど色々教養のあるところを見せて「この川を渡ってはいけませんよ」と。
結局三人の旅僧はどうやって社にまでたどり着いたのか見ていて良くわからなかったのだが、川を渡らずにたどり着く方法があるのだろうか。

福王和幸、いつもの通り上手い。背が高いので損している感じ。現代劇でも身長の高い俳優は使いにくいのだそうだが。
シテが幕の奥から呼びかける「のうのう」という声が美しい。あとから振り返ってここが演技の最高点であったのだが。
色々やり取りのあった後、巫女は大小前の小宮に入る。このときの小走りの後ろ姿が今一つ。

と思ったら、後半はどこかお悪いのだろうか、という張りの無い謡と、メリハリのない舞。今一つの地謡。囃子だけが良かった。張りつめた冬の風景の中に華やかな紅葉の錦を想像させてしかるべき曲なのに、と、不満を抱きつつ帰ったのでした。
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by soymedica | 2014-07-28 18:30 | 能楽 | Comments(0)
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