第28回テアトルノウ東京公演 砧

d0226702_2124448.jpg第28回テアトル・ノウ 東京公演
2014年7月12日(土)13時30分より@宝生能楽堂
正面席8000円

仕舞
鵜之段 味方健
松風 味方圑

舞囃子
三笑
 片山幽雪、片山九郎衛門、観世淳夫
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 成田達志、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯

茶壺
すっぱ 野村萬斎、中国の者 内藤連、目代 高野和憲


シテ 味方玄、ツレ 谷本健吾、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 森常太郎、アイ 野村萬斎
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 成田達志、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯
後見 片山幽雪、味方圑、清水寛二
地謡 片山九郎衛門ほか


宝生能楽堂はこの8月に椅子をrenewalするとかで、見本が置いてある。本日の客層は比較的若い女性が多いような。そして、荷物の多いオバサンが目立つ。

仕舞に続いて舞囃子。前に座った幽雪の着物の襟を後ろの九郎衛門がちょちょっと引っ張って直す。ほほえましい光景だけれど、裏でやった方が良いのでは。
三人で舞っているのをみると、親子って妙なところで似るのだな、と。そして幽雪の隣にいると観世淳夫の固さが目立つ、というより幽雪の自由な感じが際立つ。年取るって良いことかもしれない。ま、一番年代的にも脂の乗っているのは九郎右衛門であることは間違いありませんが。


茶壷。道端で茶壷を背負ったまま寝てしまった男から茶壷をせしめようとする詐欺師。仲裁に入った目代に本来の持ち主が茶壷の由来を述べるのを盗み聴きしてそのまま申し上げる詐欺師、という例のパターンの話。結構好きな演目です。なのに、途中寝落ちしてしまった。残念。


さて、本日のメイン。九州蘆屋の某(自分で某って名のるのも変だから狂言のように「欣哉」とか言ってみたら良いのに)。宝生欣哉はいつ見ても安心。夕霧に「今年も帰れない」という伝言を託します。この夕霧の面が、美人で、ちょっと品に欠けて、シテの面との対比が面白い。

そして妻の登場。夕霧の「ぴちぴち」という感じに対してこちらは「地味」。ちょっと髪の薄い美人、というイメージの奥さん。こういう人って、身体が弱いし気も弱い。
この二人の役作りの対比の面白さが前場を盛りたてます。

そして今回感じたのは地謡に乗っての演技の上手さ。
――ふるさとの軒端の松もこころせよ、おのが枝枝に、嵐のおとを残すなよ…
まるでシテ本人の心が地謡となって聞こえてくるような一体感。
妻の寂しさがしみじみ伝わるような前場でした。

そして「今年の秋にも殿はお帰りになりませんよ」という夕霧。夕霧については色々解釈はあるようですが、今回のこの「ぴちぴち」美人、奥さんにも同情しているのだけれど、考えの足りない若い女、というイメージでこれも面白い。

そして妻は悲嘆のあまり無くなってしまう。アイの萬斎、悪くは無いけれど印象薄し。ま、悪目立ちしてはいけないが。

そして後場なんですが、実は毎回この話の後場って必要なのかな?と思ってしまう。内容自体が仏教思想に殆ど関心の無い私に理解しがたいためかとおもうのですが。ま、結構なシテと地謡を拝見できる時間が長い、ということで良しとしましょう。


次回東京公演は5月17日で「三輪」だそうです。
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by soymedica | 2014-07-16 21:30 | 能楽 | Comments(0)
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