第8回日経能楽鑑賞会 咲嘩 求塚

d0226702_1240957.jpg第8回日経能楽鑑賞会 求塚
2014年6月5日(木)18時30分より@国立能楽堂
脇正面席8000円

狂言 咲嘩
シテ(太郎冠者)野村万作、アド(主人)高野和憲、小アド(咲嘩)石田幸雄

求塚
シテ 友枝昭世、ツレ 内田成信、大島輝久、
ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、御厨誠吾
アイ 野村萬斎
笛 一噌仙幸、小鼓 成田達志、大鼓 國川純、
後見 塩津哲生、中村邦生
地謡 粟谷能夫ほか


咲嘩、ってそれ自体が詐欺師のことだとは知らなかった。良く似た話が別の題名であったような、それとも太郎冠者が主人の言うことをそっくりまねるシチュエーションが似ているのか。何となく不思議な話。主人の伯父さんを探しに行った太郎冠者が間違って詐欺師の咲嘩をつれてきてしまい、という話。結構上演されているようですが、シュールです。


求塚は以前一度観世清和のシテで観たことがあります。あのときには記録を見ると太鼓入りでしたが、今回は無し。後見が塚の作りものを大小前に。
田舎から出てきた僧の一行が生田の里に着きます。橋掛かりを歩く宝生欣哉。宝生閑と似てない親子だと思っていましたが、横顔はやっぱり親子。
ワキとワキツレの息が若干合わない感じ。

生田の野には若菜を積む美しい女たちが。声をかけると田舎者とおもったのか、からかうような、はぐらかすような返事。この辺何となくシェークスピアを思い出させる。
今回殆ど地謡の姿の見えない席だったので、地謡の部分、特にロンギのところではツレが謡っているのか、シテの心の中の声なのか、不思議に感じられました。
清冽な感じの前場。僧の一行をからかった女たちはふっといなくなり、残った女に声をかけると「私がその菟名日処女」と女は語って塚に消えてしまう。

今回脇正面だったので、アイそっちのけで、ごそごそやる後見の仕草に見入る。前回観た野村萬のオリジナルの語りの印象が強かったし。
ああ、一人が作りものの中に入って後ろ側をやるのだな、とかそうか、面はあの向きで渡すのだな、とか。しかし、舞台の上には色々なものが置かれて、若干とっちらかった印象でしたね。

そして塚の中から謡いだします。声は小さく、はっきりとは聞き取れません。そういう演出。地謡のなか、引き回しが下ろされて後シテ登場。このワキとシテの謡の応酬が凄い。この友枝昭世と宝生欣哉の組み合わせ、素晴らしかったです。閑でも観てみたかったけれど、欣哉の理屈っぽい感じがとても良い。

前場がすがすがしく美しい感じだっただけに後場の地獄の再現が暗い。この対比。謡でぐんぐん見所を引っ張っていく。

そして、「亡者の形は失せにけり」でシテは作りものに入り、再び引回しが挙げられます。出演者全員が退場したあとですごい拍手でした。

そんなに特別なことをやっているわけではないのにやはり友枝昭世は際立って凄い。
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by soymedica | 2014-06-10 12:40 | 能楽 | Comments(0)
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