観世会定期能6月 清経 墨塗 采女

d0226702_1422298.jpg観世会定期能6月
2014年6月1日(日)11時より@観世能楽堂

清経 替之形
シテ 武田尚浩、ツレ 武田友志、ワキ 高井松男
笛 藤田朝太郎、小鼓 大倉源次郎、大鼓 柿原弘和
後見 観世恭秀、坂井音雅
地謡 角寛次朗ほか

狂言 墨塗
シテ(大名)野村萬斎、アド(太郎冠者)中村修一、(女)深田博治

采女 美奈保之伝
シテ 観世清河寿、ワキ 森常好、アイ 石田幸雄
笛 杉市和、小鼓 曾和正博、大鼓 安福建雄
後見 武田宗和、上田公威
地謡 武田志房ほか


観世会定期能、一日3つも観ると若干疲れるのと、もろもろの雑事あり、とで3曲あるうちどれを見ようかと。結局清経と采女にしました。
これが大正解でした。

清経。しずしずと美しい妻登場。
いつも歩き方の気になるワキの高井松男。なんだかなー。ワキは直面でやるので、人によって「着流しの諸国一見の僧」タイプか「武士」タイプかを選ぶような気がしますが、高井松男は僧タイプだし。
淡津の三郎って私に言わせると中世ヨーロッパの騎士、というイメージ。要するに十字軍に出かけた夫をまって孤閨を守る美しい奥方にあこがれつつお仕えする、という。そういうタイプを演出してほしかったな。

ツレ、面に装束ですから当たり前なんですが、いかにも若妻と言う感じ。上音がもっと伸びてほしいが、なかなか風情のある姿。

今回中正面の後ろの方だったのですが、全体が見通せて非常に満足。橋掛かりで清経と妻が掛け合いするところなど、全体構成が見渡せる。そしてこの二人の謡がとてもきれいでした。
地謡も素晴らしく、今回久々の観世定期能だったのですが、宗家の底力を感じました。


墨塗、バカ殿をやらせると野村萬斎ぴったり。というか、「太郎冠者を生きる」(万作の著書の名前です)という境地に達するにはまだ若いのでしょう。バカ殿をだます深田が上手い。シテ、アドを入れ替えて見比べる、という催しをやったら面白いだろうし、是非観てみたい。


本日のお目当ての采女。前回観た時も「美奈保之伝」の小書付きだったような気がします。省略される部分を読んでみると、舞を中心に置くなら確かにこれが無いほうがすっきりするかも。

どなたかがネットに書いていらっしゃったけれど、定期能の番組にはワキツレの名前が無い。登場したのを見て初めて「あ、ワキツレがいる」と。何だか扱いが冷たいですよね。ワキ、ワキツレの謡が綺麗だったので余計にそう思いました。

前シテ、綺麗だけれど観世清河寿だと、もっとオーラを感じさせるものを期待してしまう。でも森常好との息がぴったり。やはり同年代だとやりやすいのだろうか。
そして、石田幸雄のアイもなかなか。

後シテが濃いグレーかと思われる衣を被いて登場。姿が見えた時、あれ、ッと思ったのは胸のところのオレンジの組みひもがとれちゃっている。妙にアンバランスな形で気になったのですが、後見が直すタイミングがなかなか来なくって…。

とても美しい舞台でしたが、地謡にもう少し頑張ってほしかったかな。
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by soymedica | 2014-06-09 14:25 | 能楽 | Comments(0)
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