銕仙会定期公演 5月 舟渡聟 当麻

d0226702_1784915.jpg銕仙会定期公演5月
2014年5月9日(金)18時より@宝生能楽堂
正面席 6000円

狂言 舟渡聟
シテ 野村萬、アド 野村太一郎、小アド 野村万蔵

能 当麻 二段返
シテ 浅見真州、ツレ 谷本健吾、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、大日方寛
アイ 野村万禄
笛 一噌仙幸、小鼓 大倉源次郎、大鼓、柿原崇志、太鼓 観世元伯
地謡 観世銕之丞ほか


舟渡聟、前に見たのとだいぶ違う話、と思ったら前に見たのは大蔵流。
シテの、船頭で舅の萬。頭巾(ほくそ頭巾というらしい)に髭、といういでたちで顔がほとんど見えない。ふっと一瞬万作かと思うことあり。息が切れる感じもそっくり。

ところで来月平日の昼間なのですが、国立劇場の講堂で萬が講演をするらしい。行きたいなー。


当麻は二段返の小書き付。先日観世の家元がやったもの。
まず、大口袴をはいた立派な三人連れのお坊さんがやってくる。何だか本日宝生欣哉が光って見えるのは、久しぶりだからかな。ワキツレの二人も清々しい。
そこに老若の尼が2人。若い方はオレンジ系の着物、年寄りは渋いグリーンに錦糸が。私としては年寄りの衣装はもう少し沈んだ色のほうが舞台映えがすると思う。
花帽子のかぶり方、若い方は面がたくさん出るようにしてあるのを見て、回教徒のベールは若くて美人だと布が薄い、というのを思わず思い出してほくそ笑む。

この二人、谷本健吾のほうが背が高く、浅見真州が小柄なので、お婆さんと若い女性という組み合わせには視覚的にはぴったり。ただし、なんとなく謡の質が合わないのか、特に最初の同吟のところは凄く聞きにくくて退屈だった。どちらが悪いというわけでもなさそうなんですが、シテとツレ、どういう組み合わせでやるかって重要だなー、と思ったのでした。

当麻寺の曼荼羅のいわれを語るところ、シテは蔓桶に腰掛けるのですが、シテ、ツレ、そして三人の僧の配置と姿勢がとてもきれいで絵の様でした。
ここで気づく、本日地謡が凄く良い。詞章もはっきり聞き取れるし、音楽的にもきれい。。

昔、音響の悪い屋外で演能していたときに、観客にシテのセリフがよく聞き取れるように大勢で謡ったのが地謡のorigin、と聞いたことがある。それを思うとこういう地謡がキホンのキ、じゃなかろうか。

ともあれ、老尼は杖を捨てて天上へ。
狐につままれた面持ちでワキ僧たちがいると、門前の人がやってきて、それは中将姫の化身、と教えてくれます。

そして中将姫(それとも菩薩)が登場。半幕にすると巻物を持った中将姫が。幕をあげるのは後見の仕事なんですね。知らなかった。野村四郎様にあんなに腕を目いっぱい伸ばしてお仕事してもらうなんて、恐れ多いことです。

そして中将姫は有難い経巻を宝生欣哉にさずけます。受け取るときに、僧の手が姫の手よりも上の方にあって、頂くというよりは受け渡しする、という感じですが、前に観たときはどうだったかな。
ともあれ、それを開いて押し戴く僧のしぐさがきれい。

最後の舞は美しく、確かに天上からお姫様が降りてきた、というイメージが浮かび上がりました。終わりの方では一の松でくるっと回るのですがその時の美人だったこと。
そして一の松で止めて終わります。

何だか綺麗なものを見たな、という一日の終わりでした。
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by soymedica | 2014-05-11 17:13 | 能楽 | Comments(0)
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