第九回萬歳楽座 恋重荷 千手

d0226702_095165.jpg萬歳楽座
2014年4月10日(木)18時30分より@国立能楽堂
正面席12000円


恋重荷
シテ 梅若玄祥、ツレ 片山九郎衛門、ワキ 宝生欣哉、下人 山本泰太郎
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯
後見 片山幽雪、山崎正道、観世喜正
地謡 観世銕之丞ほか

千手 重衣之舞
シテ 観世清河寿、ツレ 大槻文蔵、ワキ 宝生閑
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井広忠
後見 木月孚行、上田公威
地謡 梅若玄祥ほか


今回は藤田六郎兵衛の十分ほどの解説があっただけで曲に突入。まあ、短めとはいえ二曲なので。
でも、切符売るときと当日とで小書きが変わるってルール違反ではないだろうか。出演者病気で交代、というのと訳が違う。数か月前から切符を売って金利を稼ぐ(あるいは運営資金を出す)というのなら、きちんとビジネスルールにのっとってやるべきでは。こんなことやっているから橋下に付け込まれるのですよ(あ、あれは文楽か)。
で、当日突然「今回は村上湛さんの演出によるものです」と知らされる。(大学の日本文学の研究者の方だそうですが、論文や著書はヒットしなかったので詳しくはわからず。能楽堂でもどの人だかはわかるのだが。)


恋重荷。地謡が入ってきて改めて驚いた。前列が若い。そして、後見の観世喜正がしずしずと重荷を運んでくる。どの程度の重さがあるのかわからないが、それなりに重そうに持ってくる。一説によると電話帳を包んだものだそうだ。今や入手困難では?(昔地方出身の友人に「電話帳」が厚い本を意味するのは東京だけ、と言われたことを思い出す。)

さて、ワキの臣下がやってきて物凄く長い状況説明をする。こんなに理屈っぽい説明は現代劇の脚本だったらまず却下されると思うが、まあ、そこは能。でもいつもこんなだったっけ?
アイの山本泰太郎。山本家の装束の色合わせにしてはとてもスマート。

ま、呼び出されてのこのこ出てきた爺さんは荷が持てなくて憤死してしまうのだけれど、この面のかけ方使い方が上手いなー。
荷はちょっとは動いたんだけれど残念でしたね。

女御が死んだ老人を見に出てくると、立てなくなってしまう。
で、爺さんが鬼になってやってくる。橋掛かりから衣をかずいてぞぞぞーっと出てきます。

この鬼は細い杖を持って出てくるのだけれど、サシを謡った後はこれを太い鹿背杖に持ち替える。そして最後にまた持って出た杖に持ち替えたり忙しい。
女御は鬼が出てきたので一の松まで逃げて泣いたり、重荷を実際に載せられたり…。
で、最後に和解成立。
爺さんが橋掛かりにいて舞台の女御と向き合うところがちょっとフォトジェニックで美しかった。

地謡は何となく揃わない感じでしたが、囃子は良かった。

学校公演なんかではこういうタイプの演出ってわかりやすくって良いのではないでしょうか。


次いで千手
重衡登場。無冠、白の衣にブルー系の大口という、いかにも囚われの貴族という感じ。大槻文蔵の端正な顔立ちがこの役に合っています。そして、千手。この面が凄く美人だった。観世秘蔵の面だろうか。
出だしに宝生閑のトチリ???と思うところがあってびっくり。

クドキというのだろうか、三人同吟するところが、物凄く綺麗だった。目にも耳にも。

しかしどこをどう詰めたのかはっきりは分からないけれどいかにも忙しい千手でしたね。謡や舞のテンポを変えずに現代の上演時間に合わせようというのは難しいかもしれない。さすがに観世清河寿、大槻文蔵&宝生閑、綺麗にまとめていましたが、例えば若手がこれをやるのは相当に器用でないと難しいのではないかな、と思いつつ見ていました。

恋重荷に比べてこちらの方が地謡も囃子も、そして曲全体もまとまりがありましたが、もう一度見たいかと言われると…。
[PR]
by soymedica | 2014-04-14 00:09 | 能楽 | Comments(0)
<< 国立能楽堂四月定例公演 酢薑 海士 いのうえ歌舞伎 蒼の乱 >>