観世会企画公演 小原御幸

d0226702_17472984.jpg観世会企画公演 大原御幸
2014年3月9日(日)15時より@観世能楽堂
A席8000円。


大原御幸
シテ 観世清和、ツレ(内侍)浅見重好、(局)坂口貴信、(法皇)金剛永謹
ワキ 宝生閑、アイ 三宅近成
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄
後見 武田宗和、宇高通成、観世芳伸
地謡 関根祥六ほか


仕舞と狂言はパスしました。
小原御幸は観世流と金剛流宗家の共演ということですが、見所の大部分は観世流のお客さんみたい。そしてせっかくの舞台なのに脇正面の後ろ3列くらいは完全に人無し。

まず、大藁屋が出されて、ワキツレの殿田が登場。後白河院が寂光院を尋ねるぞ、とお触れ。するとアイがお触れを皆に出します。この二人、ここしか出番がないのですが、やりようによっては煩くなるのに、重くなりすぎず、軽くもなく、よかったです。

大藁屋の引き回しが下ろされ、場面は寂光院へ。全員白の花帽子。向かって左の内侍は明るい茶、右の局は紺の無地の着物ですが、女院は渋い金地に遠目には扇が飛んでいるように見える模様の着物。では、樒をとりに行きましょう、と局から女院が籠を受け取る。このしぐさと、ちょっと見栄を切るような一瞬静止するしぐさが素敵。

法皇がやってきます。金剛永謹、体格が良いし、ぴったり。輿舁の一人はわからないけれど、もう一人は大日方。中納言の宝生閑、「ああ、のどかな緑の素晴らしいところではあるけれど、こんな寂しいところに」と晩春から初夏にかけての光景を歌い上げます。(ここのところ、謡なのに囃子が入らない。)そして法皇様もわざわざここまでやってくるなんてちょっとデリカシーにかけているな、と思いつつ、内侍と応対。あんまりワキが活躍するという筋ではないですが、これはやはり宝生閑クラスでないと。この人が下手くそだったら最後までぶち壊し。最後に法皇に帰還を促すところも凄く良かった。

遠くに紫の水衣を羽織った女院と局の帰ってくるのが見え、法皇一行はどっちがどちら?などと話している。女院たちの方も「人が来たみたい」と。ここで女院はいったん橋掛かりで床几にかける。どうもこの曲は最後までたったり座ったりが多い。
そして法皇がいらした、と聞くと立ち上がって、感謝し(放っておいてよ、とは言わない)一の松から「御影や今に残るらん」と、少し下をのぞき込むしぐさをします。ここが見せ所らしいのですが、私にとっては中入り前の、藁屋から出るところのほうが印象が強かった

法皇は「あなたは六道を巡られたと聞くが」などと言いますが、要するに平家最後の様子を語れ、ということで、苦しい時の話をさせます。ひどーい。でも、ここの謡はやはりとても聞きやすく、そして感情移入しすぎず、さすが家元。女院は床几で話をします。
「かぶと」というところで左手で頭をさすのは観世流独特のしぐさだそうですが、そんなに素敵ですかね。
最後の「しずみしは」と言いながら、床几から降りて座ります。こっちの方が納得できる型でした。
ともあれ、ここの聞かせどころ、素晴らしかったです。

聞きたいことだけ聞いてしまうと、法皇は中納言に促され帰ると言いだします。そんな法皇でも、あまりに寂しい寂光院ですから、女院は名残惜しげに藁屋の柱に手をかけて見送るのです。
法皇はいったんは輿に乗ったものの降りて振り返る。ここはしみじみしましたねー。筋の上ではデリカシーの無いオヤジですが。金剛永謹が実際に演じると良かったです。

ということで大満足でした。
何回でも観たい演目です。
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by soymedica | 2014-03-11 17:49 | 能楽 | Comments(0)
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