国立能楽堂 冬スペシャル 働く貴方に贈る 膏薬練 葵上

d0226702_2336886.jpg国立能楽堂 冬スペシャル 働く貴方に贈る
2014年2月28日(金)19時より
正面席5000円

狂言(和泉流) 膏薬煉 
シテ(都の膏薬煉)野村又三郎、アド(鎌倉の膏薬煉)奥津健太郎

能の装束付け
山井綱雄、井上貴覚、本田芳樹、中村昌弘

能(金春流) 葵上 
シテ 高橋忍、ツレ 中村昌弘、ワキ 福王和幸、ワキツレ 村瀬提、アイ 野口隆行
笛 一噌幸弘、小鼓 幸正昭、大鼓 河村大、太鼓 徳山宗久
後見 高橋汎、井上貴覚
地謡 本田光洋ほか


「働く貴方」は気がたっていてですね、終了後正面席の男性2人が大声でケンカ。能楽堂って建物内部には制服警備員はいないらしく、ワイシャツのおじさんが連行していました。
もっと驚いたのはそれについて「あなた、せっかくの余韻が台無しじゃないですか、お出入り禁止にしてくださいましね」、と会場係のお姉さんに怒っているおばさんがいたこと。


…狂言の膏薬練。これ、なかなか面白かった。鎌倉の膏薬練と京都の膏薬練がそれぞれ、都に、あるいは鎌倉に行って勝負しようと出かけて出会って勝負するんですが、どこらあたりで出会ったのでしょうね。
膏薬というのは何かを「吸い出す」薬として使われていたのでしょうか、鼻に短冊をはって吸い比べをするのが見せ所ですが、双方のほらの吹き方、相撲のような吸い比べの動き、ダイナミックな演目でした。


装束の着付けの実演。何回も矢来で見ているので退屈するかと思ったけれど、山井綱雄の解説も面白く、新鮮な気持ちで見られました。下前の織り込んだところは糸で止める、と言っていましたが、観世でもそうするんだろうか。初めて聞くような。能では衣文を抜かない、と言われれば確かにそうですね。そして唐織と上に着る水衣は一緒に首の後ろで縫い合わせてあるのだそうで、確かにそうすれば着崩れは絶対に防げる。


装束モデルはツレの照日の巫。休憩の後、葵上が始まるとまず明るいオレンジの小袖が出される。次いで先ほどの照日の巫が座ります。臣下のワキツレが濃いオレンジの装束。いきなり臣下のセリフで始まって「急いで梓におんかけそうらえ」で、梓じゃなくて囃子が始まる。この後の巫の「天地清浄…」が好きです。特に理由はないけれど。
ここでシテ登場。

シテの装束の裾の後ろが長くて気になる。そして唐織の背中が非対称になっているのも着付けの実演の後だったので妙に気になる。
ワキツレの村瀬、だんだん上手になるのが見えるけれど、本日はどうも動きがぎごちない。

葵上は後世の改変が多いと言われ、散々に解説を読んだりしたので、謡が妙に気になるけれど、でもこの謡、よくできているし好きな謡です。
六条の御息所はおどろおどろしく振舞ったあと、後見座へ。
これは大変と、横川の小聖を呼ぼうとする臣下の村瀬。ちょっと力みすぎ。

そして有難い横川の小聖が登場。加持祈祷が始まると、後見座から衣をかずいた怪しい影がぬーっとシテ柱のところに。
現代の明るい能舞台だから良いけれど、もう少し薄暗かったり、外の風が生暖かく入ってきたりしたら怖いだろうなー。
まあ、結局最後には舞台中央で泣いて終わるのだけれど。

しっとりして良い舞台だったけれど、前半御息所にはもっとダイナミックな方が好き。もっと泥臭くても良いのじゃないだろうか。

ケンカとおばさんのクレームにあまりに驚き、この日の感想はここでおしまい。
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by soymedica | 2014-03-02 23:38 | 能楽 | Comments(4)
Commented by JSBACH at 2014-03-04 02:14 x
能楽堂でケンカとは驚愕です。その2人がどんな言葉を発していたか知りたい。


Commented by soymedica at 2014-03-04 13:45
「お前が先に手を出したんじゃないか」と一人が何回もどなっていました。二人とも40歳くらいかなー。
Commented by 高橋 at 2014-03-05 06:47 x
背が低いほうは札付き。
絡まれた者多し。
正面のかなり前方、たまに最前列で見かける常連。
お気をつけください。
Commented by soymedica at 2014-03-05 19:47
そうでしたか。情報ありがとうございます。
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