国立能楽堂十二月普及公演 痩松 夜討曽我

d0226702_8321851.jpg国立能楽堂十二月普及公演
12月14日(土)13時より
正面席 4800円

解説 能の世界と敵討ち 林望

狂言 和泉流 痩松
シテ(山賊)小笠原匡、アド(女)吉住講

能 観世流 夜討曽我 大藤内
シテ(曽我五郎時致)岡久広、ツレ(曽我十郎祐成)武田宗和、(団三郎)武田志房、(鬼王)関根知孝、(古屋五郎)上田公成、(御所五郎丸)藤波重孝、(侍)武田宗典、清水義也
アイ(大藤内)野村万蔵、(狩場の者)野村万禄
笛 一噌隆之、小鼓 幸正昭、大鼓 亀井広忠
後見 野村四郎、武田尚浩、藤波重彦
地謡 角寛次朗ほか


林望先生、袴姿で登場。…「かたき討ち」といえば曽我物、ですね。その他には「望月」とか「放下僧」もあります。ところで望月では盲目の女芸人に扮した未亡人が謡うのがこれまた曽我の仇討。ま、盲目の女芸人の謡うものの定番だったのですね。
そしてなぜ芸人に扮したか、というと古来芸人と言うのは正月の獅子舞のように呼びもしないのに押しかける(推参する)ものであるから、敵の部屋に呼ばれもしないのに入れるのです。(ナルホド。)

そしてアイの「大藤内」ですが、大蔵流ではいつも「大藤内」なので、この小書きは無い、とおっしゃったようなのですが、聞き違いかどうか(前回九皐会のとき、大蔵流で大藤内の小書きがついていたので)。

この曲は切能に分類される、つまり鬼を平定してことほぐ能なのだという解説。それが証拠に最後、「かたじけなくも君のお前におったて行くことめでたけれ」で終わっていますが、これは曽我兄弟は逆賊だからである。とのこと。


狂言は痩松。陽の落ちた山道を一人行く女と山賊のお話。単純なお話ですが、面白い。悪人が本当の悪人ではないところが楽しい曲でした。


いよいよ仇討、夜討曽我です。うーむ、十郎・五郎兄弟、ちょっとお歳ですね。血気にはやる、というよりは重々しい。でも動きにはキレがあります。
団三郎、鬼王もなかなかですが、「ここで帰されるくらいなら刺し違えて死のう」というところが、妙にコミカルに感じられてしまうのは、私がそういう心情のわからない現代人だからでしょう。

さて、団三郎、鬼王に遺書、形見のお守りを渡して討ち入り。この討ち入りの場面は描かれないのでいきなり、大藤内が烏帽子を曲がってかぶり、女の着物をひっかけて慌てふためいて登場。討ち入りの現場に居合わせた恐怖を語って聞かせます。アイ狂言に後見がついているのに初めて気付きました。

さて、討ち入り後半の場面。既に兄は斬られているらしい。十番切りの小書きのあるときほどではないですが、派手な斬り合いの場面。ツレには今風の小顔の人もいるのですが、ああいう装束の時には伝統的(?)体形のほうが強そうです。
お歳に見えた五郎、前転するなど若々しい動きでした。びっくり。
でも最後は女のふりをして衣をかずいて物陰に隠れていた御所五郎丸に捉えられてしまったのでした。

パチパチパチ。
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by soymedica | 2013-12-18 08:34 | 能楽 | Comments(0)
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