第37回のうのう能 阿漕

d0226702_8202998.jpg第37回のうのう能 阿漕
2013年11月15日(金)7時より@矢来能楽堂
正面席5000円

解説、装束付け実演

仕舞 善知鳥 観世喜之

阿漕 
シテ 奥川恒治、ワキ 御厨誠吾
笛 八反田智子、小鼓 深澤勇司、大鼓 柿原弘和、太鼓 大川典良


コンパクトに初心者向けにまとまっている「のうのう能」。今回は阿漕でした。
作者は不詳ですが1530年代に初演記録がある、とか三卑賤ものといえば「善知鳥、鵜飼、阿漕」であるとか、ワキの旅人は日向(天孫降臨の地)の出身との想定で阿漕の舞台である伊勢との対比が良いとか、の楽しい蘊蓄が観世喜正によって語られます。

装束着けでは鬘はヤクの毛であると説明。昔は何を使っていたのでしょうか。モデルを務めたのは観世喜正だったのですが、説明する弟子が「先生がいま着けていらっしゃるのが云々」と説明するのはいかがなものでしょうか。外部のお客さんに向かって身内に敬称、敬語はまずいでしょう。


善知鳥の仕舞に続いて阿漕。この曲のワキは僧形でも着流しでもOKだそうで、(確かにはっきり「僧」とは言わない)今回は日向の旅人という設定。ここはどこ?と釣竿を手にした老人に尋ねると老人は「阿漕が浦」の話をかたります。
先週国立能楽堂で国栖を見たとき前シテのお爺さんが鬘から耳を出していたのを見て「あれ?」と思ったのですが、今回は耳は鬘の中。
プロの方に、「宝生流の尉は耳を出す」と教えていただきました。普通面に耳がついているし、耳が出ているともみあげが白くないと目立つので、今回のように耳は鬘の中が綺麗だと思うのですが。

「繰り返し繰り返し」と未練げに釣竿を手繰るところがあります。「ここが見どころだぞー」という力の入り方が感じられ、もっとさりげなくやった方が良かったかな。
後シテの網を扱うところはもっとさりげなかったけれど、「かっちり」「きっちり」という感じが亡霊になった人ではなく、これから亡霊になる人のよう。

楽しかったけれど、囃子と謡が若干力みすぎの感じがありました。コンパクトな能楽堂で仕事帰りのお客さん、そして幽霊の話ですから、もそっと考えてほしかった。まあ、皆さん若そうなので普通にやっているのかもしれませんが。

今回アイがなかなか良かった。それにしてもなんで長裃なんでしょうね。


ということで、年内最後ののうのう能でした。
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by soymedica | 2013-11-20 08:22 | 能楽 | Comments(0)
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