狂言ござる乃座48th  入間川 隠狸 石神

d0226702_8431626.jpg狂言ござる乃座48th
2013年10月19日(土)13時より@国立能楽堂
中正面5000円

入間川 
大名 石田幸雄、太郎冠者 内藤連、入間の何某 武山悠樹
後見 中村修一

隠狸
太郎冠者 野村萬斎、主 野村万作
後見 飯田豪

素囃子 安宅 滝流
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 曾和正博、大鼓 大倉栄太郎

石神
夫 野村萬斎、妻 高野和憲、仲裁人 深田博治
後見 岡聡史


17日(木)の19時からと二回公演の二回目

入間川は、その土地で使う逆言葉(さかさことば。ほしい時にはほしくない、高い時には低いという)を使ってのお話。
都での訴訟ことごとく叶い、太郎冠者を連れて帰国する大名が登場。名乗りがとてつもなく立派で気持ちの晴々したところがよくわかります。大体狂言の大名は訴訟に勝って帰ることになっていますが、能の主人公はなかなか帰れなかったり、途中でかたき討ちにあったり、あんまり幸せではない。
やっぱり石田幸雄は上手だな、としみじみ。
内藤連の従者はしゃべるときに持っている太刀が揺れたり、ほかの人がしゃべっているときに視線が動いたり、ちょっと気になる。まあ、石田幸雄と比べては気の毒というもの。でも、この出演者の組み合わせはイキイキして楽しかった。

隠狸は何回か見ています。親子逆の組み合わせも面白かったけれども、こちらも動きが大きくなって別の種類の笑いが楽しめます。酒は飲みたし、狸は見られてはならず、でも主人は舞を舞え、などというし。どなたかファンのかた、狸の編みぐるみを作ってあげたらどうかな。
萬斎は現代劇の連続公演がある時よりあきらかに元気そう。両方の舞台をやってそれを止揚したいのかもしれないけれど、一人の人間ができることには限りがあるのだから、ちょっとセーブしたほうが良いのでは、と思ってしまいました。

そして休憩の後の素囃子。大倉栄太郎、掛け声がやけに痰がらみでしたが、風邪かな。

石神(いしがみ)は初めての演目。やはりこういう長いものは狂言の会でないとなかなか見ることができません。
連日の亭主の飲み歩きに腹を立てた妻が「出ていきます!」慌てた亭主は、面子があるから自分からは謝りたくはないけれど、何とかして引き留めたい、と仲裁してくれる人のところに駆け込みます。仲裁人の博治さまは、妻に石神様にお参りして今の亭主と別れたほうが良いかどうか聞くようにアドバイス。夫には先回りして石神様に化けて別れないようにお告げをしろとアドバイス。
狂言では人はお地蔵さんやらなにやらありがたいものに化けるのが日常。
「別れない方がよい」という石神様、じつは亭主のお告げのお礼に妻が神楽を舞うのが見せ所。そして愛する妻の神楽がどうしても見たくなって、神様に化けているのも忘れてのぞき見、揚句には…。
出演者がたった三人なのに、大曲を見たような満足感。高野和憲の謡が良かった。

なお、パンフレットの三浦裕子先生の解説を見てネット検索したところでは石神神社(幸神社)は京都御所の北側にある神社。石神様はいまでも祀られているようです。
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by soymedica | 2013-10-21 08:46 | 能楽 | Comments(0)
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