白翔会 屋島 二千石 望月

d0226702_813255.jpg白翔会 屋島 二千石 望月2013年9月7日(土)13時30分より@国立能楽堂
正面席10000円

連吟
藤戸、盛久


屋島 大事 語那須
シテ 坂井音重、ツレ 坂井音雅、ワキ 福王和幸、ワキツレ 村瀬慧、中村宜成
アイ 山本東次郎
笛 藤田次郎、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 柿原崇志
後見 観世恭秀、武田尚浩、藤波重彦
地謡 浅見真州ほか

二千石
シテ 山本凛太郎、アド 山本泰太郎

仕舞
実盛クセ
 関根祥六
船弁慶キリ 観世清和

望月シテ 坂井音隆、ツレ 坂井音晴、子方 武田章志
ワキ 宝生閑、アイ 山本則孝
笛 一噌庸二、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 小寺佐七
後見 観世清和、寺井栄、上田公威
地謡 岡久広ほか


一門とそのお弟子さんのフェスティバルという雰囲気の会場。囃子は長袴、謡も揃いの裃。
物凄く上手い素人弟子とプロが混ざっているのではないかと思われる連吟のあと、屋島が始まります。


実は屋島って名曲とされていて確かに見どころ多いのに、あんまり私には入ってこない曲なので、今回はどうか。
着流し、金の沙弥帽子の僧登場。有名な屋島の浦にやってきた。と、そこに品の良い塩屋の主登場。ワキとワキツレの音程が若干合わないような印象でした。ツレは襟がピンクがかったオレンジで華やか。幽霊なので、羽衣の漁師のようなのどかな趣はありません。

漁師たちが「じゃあ、塩屋に帰ろうか」と。後見がシテの釣竿をとるタイミングがあってなくってちょっと目だちました。
それと、今回は詞章が完全に書いてあるパンフが配られているのですが、そこをみんなが一斉にめくると音がかなりします。謡本だと紙が柔らかいので音はないのですが。

「屋島にたてる高松の…」からのシテの演技がちょっと気になりましたが、一番気になったのは途中老翁の髪が乱れたところ。後見が直していました。

シテが中入りすると、小鼓の床几を蔓桶と交換。ああ、大事の小書きなんだな、と思う瞬間。
塩屋の本物の持ち主がやってきて、僧が「やや、さては先ほどの人物は幽霊か?」
語り那須です。ここからが東次郎の聞かせどころ。和泉流との違いなのか、東次郎のもちあじなのか、ややゆっくり。今日能楽堂に来たのは半分はこのため。良かったー。
全然関係ありませんが、東次郎、未練の七三分けやめたんだ。今のほうが良いです。

源義経登場。髪の毛、鉢巻が一緒に細い糸で止めてある。初めて気付きました。皆さんやっているのでしょうか。弓流しの場面でちょっと手探りしたのでハラハラしました。プロでもそうなんだ。勇壮に、そしてしみじみと舞ったあと、地謡に送られシテは退場します。
うーん、やっぱり屋島では緊張が続かない。なぜかな。


狂言の二千石。最後はめでたしめでたし。凛太郎君、いくつだろう。もうすっかり青年ですね。


望月。子方の晴れ舞台ですね。やはり「いざ打とう」のところは見せ場で何回も練習するらしいです。
囃子なしでさーっとシテ登場。
そして、ツレと子方は今回は舞台に入って歌います。お母さんは痩せてやつれています。坂井音晴はやせ形で指も長くて細いので、女の役がとてもよろしい。隣のおじさま方には「痩せせすぎだ」と不評でしたが。

そしてワキの宝生閑登場。復調はしたようですが、痩せて溶けてしまいそう。謡を聞きながら、「ああ、抽象画になった」と思いました。モネのスイレンが晩年にはほとんど淡い抽象画になったように。
衣のそでがとっても大きく感じられました。

お供の狂言はあまりに格調高すぎないか?もうちょっと肩の力を抜いてやってほしかった。

主従懐かしい出会いの場におりよく敵の登場。橋掛かりで母子、宿屋の主人の小澤はかたき討ちの相談。
望月を三人の芸事で油断させて打とうというのです。まず母親が曽我物語を謡います。「そんな縁起の悪い」という従者を「まあまあ」と余裕でいなす望月。子方は後見からもらった鞨鼓を母に渡し、母はそれを打ちながらの謡。

次いで子方の鞨鼓。後見座で腰につけてもらっている間、狂言が「もてなしの良い宿だなー。」としみじみ述懐。
そして鞨鼓を打ち終わった子方は撥を捨てて目付柱で待つ。
そこに獅子が登場。半幕で半身が見えたり、本格的獅子です。華やかな獅子舞。

そして立派に敵を討つのでした。


曲も演技も良くてとっても楽しい半日だったのですが、間で出た観世清和の仕舞の印象が一番強かった…。
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by soymedica | 2013-09-11 08:16 | 能楽 | Comments(0)
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