能楽座第19回公演 葵上 花盗人

d0226702_20533127.jpg能楽座第19回公演
2013年8月28日(水)14時半より@国立能楽堂
正面席10000円

舞囃子 天鼓 盤渉 梅若玄祥
仕舞 雲雀山 宝生閑

狂言 花盗人
男 野村万作、何某 石田幸雄

仕舞 藤戸 片山幽雪

独吟 三山 クセ 近藤乾之助

舞囃子 班女 大槻文蔵

能 葵上 古式演出による
六条御息所の生霊 観世銕之丞、青女房 西村高夫、照日の巫女 長山桂三
横川小聖 福王茂十郎、廷臣 福王和幸
従者 高野和憲
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 観世新九郎、大鼓 山本哲也、太鼓 観世元伯
後見 片山幽雪、分林道治、清水寛二
地謡 大槻文蔵ほか


隣におおよそ平均年齢80歳以上のおばあさんの4人組。グループの一人は亡くなり、一人は闘病中らしい。「あの人は癌の民間療法を頑張りすぎて疲れて死んだのよ」「そうそう」「ナントカさんも癌になったって、今日来てないでしょ?」「心配することないのよ。年寄りの癌は進行が遅いから癌が悪くなる前に寿命で死んじゃうから」
……本日の公演より興味深い内容でございました。


能や狂言のほかに仕舞とか舞囃子などもいろいろ。玄祥の天鼓、地謡は銕仙会プラス観世喜正。これがとっても良かったです。でも、鼓はちょっと。
宝生閑の仕舞は物凄く枯れた感じ。で、普通地謡向かって左端が下っ端で演ずる人の袴を直したりしますよね。下宝生では向かって右端の人がやっていました。
近藤乾之助には助吟つき。上に書いた順番で上演されたのですが、班女あたりにくるとこちらも疲れちゃって…。
狂言は花盗人だったので、謡つき。萬も、千五郎も独吟したので三人が比べられて面白かった。千五郎のは初めて聞きましたが、とても気に入りました。


葵上は古式演出。正先に出された小袖は水色と白を基調としたもの。廷臣登場。福王和幸って装束つけると少女漫画に出てくる光源氏のよう。照日の巫を呼び出します。巫女はきれいな弓を手に正先で歌いだす。
と、ここで後見が壊れてはいるけれど派手な車を脇正面まで運び出す。
三の松に立った御息所、一の松の青女房が歌いだします。そしてシテは車に乗って「憂き世は牛の小車の」と。謡がとっても素敵なのに、サシから上歌まで(およそ輪廻は、から、立ち寄り憂きを語らん、まで)が省略されて残念。

廷臣が「大体はわかっているけれど、お名前は?」と聞くと、御息所は車から降りて車が三の松まで後見によって引かれます。とこで、青女房の面、なんとなくオタフクを想像させるものでした。やはり御息所と差をつけないとね。
青女房は御息所の後妻打ちを止めますが、御息所は葵上に扇を投げつけて、唐織をかずいて中入り。この後、完全に車がひかれます。

大変な物の怪が出たというので横川尊い小聖が呼ばれ、祈祷。ここのアイとのかけあいがテンポが良くて小気味良い。そして、一心不乱に祈る聖の後ろに怪しい怨霊登場。尊い聖に三の松まで追い込まれ、かずいていた衣を落とします。
この後修験の祈祷の言葉をシテと地謡が交互に言うのが面白い。

ということで、めでたく怨霊は退散したのでした。この「古式演出」きっと正しいのでしょうけれど、かなり舞台が忙しい感じがしました。じっくりと見せる、というのなら現行演出のほうが(今の私には)良いかな。
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by soymedica | 2013-09-02 21:00 | 能楽 | Comments(0)
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