東日本大震災義援能第二部 鎌腹 善知鳥

d0226702_21492021.jpg東日本大震災義援能第二部
2013年7月30日(火)18時30分より@観世能楽堂
正面席5000円

舞囃子 観世流 菊慈童 盤渉
岡久広

独吟 
喜多流
 竹生島 佐々木多門
金春流 松風 山井綱雄
宝生流 放下僧 小歌 水上優

仕舞 観世流 殺生石 小島英明

狂言 大蔵流 鎌腹
太郎 山本則俊、太郎の妻 山本則秀、済人 山本則孝

仕舞 観世流
網之段 観世芳伸
遊行柳クセ 木月孚行
 今井安助

能 観世流 善知鳥
シテ 観世清和、子方 藤波重光、ツレ 大松洋一
ワキ 福王和幸、アイ 山本則重
笛 八反田智子、小鼓 観世新九郎、大鼓 國川純
後見 木月孚行、寺井栄
地謡 岡久広ほか


観世能楽堂は割と久しぶり。周囲の豪邸の中に、素晴らしい一戸建てなのになぜか門に宅配受け取りボックスがある家あり。家事使用人と言うものを置かないのか?あんな家に住んでいるんだから人を雇えば良いのに、と毎回思う私。

鎌腹。前に見たのは和泉流だったのかな。終わり方がこれとは違っていた記憶が。今回の終わり方の方が納得のいく感じ。ともかく、わわしい妻にあれこれ言われるくらいなら自殺しようと、色々工夫するところが見せどころなのは同じ。それにしても山本さんちはしみじみ素晴らしい。


善知鳥。最近福王和幸が登場しても驚かなくなった。あのプロポーションに慣れたのね。外の浜と立山って方向違いじゃない、と関東中心に考える私。ともかく、立山の陰鬱な風景の中で旅の僧が亡者に呼びかけられる。そして、外の浜にいる亡者の妻子に笠と蓑を手向けるように伝言してくれ、と。会った証拠に着物の方袖を渡される。

前は前場と呼べるほど長くは無い。
アイと一緒に子方と母が登場。母は沈んだ色ではあるけれどずいぶん豪華なお召しもの。子方の衣装は何回も使った感じであります。

僧は在所の人にそれらしき妻子の居場所を教えられてそこに向かう。
ツレが謡っている間しばらくの間ワキは引っ込んでいるのですが、これが後見座でなくて大小前というのがちょっと変わっている。

で、「あら主人の形見の衣とそでがぴったりだわ」となるのですが、では冥界で猟師の着ている衣は?形見の衣はもともと片方袖無しだったのか?なんだかSF小説か最新の量子論かを想像。
そして妻が持ち出す笠。その縁が遠目にもわかるほどに派手に剥げているのは…。
このあと杖を正先から後方へ投げ(囃子に当たらないように練習したんでしょうね)さらに笠を地謡前に投げる所作があるのですが、その練習の時に剥げたのかな。

それにしても後シテの面は薄気味悪いものでした。白くって目が小さくって、頬がこけている。ちゃんと終演後取れたのだろうか。肉付の面の話を思い出してしまった。
後シテの扇は薄茶のベースに白い波、灰色の鳥が書いてあって、これもおどろおどろしい。

というわけで、ビジュアル的には大変楽しめるものだったのですが、後半せっかくの謡の印象が(私の中では)薄くなってしまって、ざんねん。一人で舞、所作、謡全部楽しむには何回も見ないといけませんね。それにしても「士農工商の家にも生まれず、または琴碁書画をたしなむ身ともならず」のところが全く記憶に無いのですが…。


帰路ちょっと雨。無念の猟師の涙だったのか。

なお、写真は観世能楽堂を裏から見たところ。昭和の建物ですね。
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by soymedica | 2013-08-03 21:52 | 能楽 | Comments(0)
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