国立能楽堂5月普及公演 左近三郎 田村

d0226702_895080.jpg国立能楽堂5月 普及公演
5月11日13時より
正面席4800円

能楽あんない「あれを見よ不思議やな」馬場あき子

左近三郎(さこのさむろう) 大蔵流
シテ 茂山七五三、アド 茂山あきら

田村 替装束、長胡床(ながあぐら) 観世流
シテ 武田志房、ワキ 高井松男、ワキツレ 館田善博、野口能弘
アイ 茂山童司
笛 藤田次郎、小鼓 幸正昭、大鼓 國川純
後見 観世恭秀、武田文志
地謡 角寛次朗ほか


まず、馬場あき子さんの解説から。副題は「あれをみよ不思議やな」。今回はわりと筋に沿った解説でした。また 小書きつきなので、前シテは通常の童子の面から喝食に、後シテは平太から天神になる、など説明してくださいました。後シテは長剣を背負って出てくる(時代的に日本刀は無い)のですが、敵は観音の威光で蹴散らされるので、剣を抜く必要は無いのです、と。
なるほど。しかし、何十回となく同じ演目の解説を頼まれているでしょうに、毎回違うお話をなさるみたい。凄い。


狂言の演目左近三郎、聞きなれないものですが、この「左近三郎」はシテの漁師の名前。猟師が坊さんをからかう話。酒も飲むだろう、獣も食うだろう、妻もいるだろう、と坊さんに問いかけ、否定すると「本当のことを言わないとこの矢で射るぞ」。でも、なんとなく最後には二人で仲良く退場。
江戸時代の演目だそうです。


田村の長胡床というのは早い話が後シテがほとんど座っている型らしい。ある程度高齢のシテにはよろしいのでは。
まず、ワキ登場。私この高井松男さん、どこかお悪いのではといつも思うのですよね。足袋をはいた足にかなりの左右差があって、右足の甲には厚い当てものがシテある様子。
清水寺見物をしていると、グレーの水衣に箒を持った若い男登場。武田志房は小柄なので良く似合う(後シテの装束で大きく立派に見せていたのはさすが)。謡も綺麗で、前に見たときにはあまり関心しなかったのに(ちょっとお気楽な自伝を読んだ直後だったし)、今回良い感じでした。

若い男、「あなたは誰?」と問いかけられ、どこへ行くかよく見てろよ、と、橋掛で引き戸を開けるしぐさをします。揚幕を頭上すれすれまでくるくると巻きあげて、退場。

アイが出てきてお話。ワキが「田村堂に消えた」と言っているのだからその後に「あれなるは田村堂と申して…」というのはちとおかしい。ちゃんと打ち合わせしないと。

後シテが出てきてからは地謡の聞かせどころだそうですが、確かに力強かった。
そして最後、いよいよシテ退場と留を踏むとき、ワキがほとんど直立するまで立ちあがって向きを変えるのはいかがなものか。足がしびれたんだろうけれど。


会場に何か御稽古か同窓会かのグループあり(受付に桜陰会とあるから御茶ノ水女子大関係か)。休み時間色々お話したりしているのだが、何と「ほら、こちらを」とエアメールの封筒を渡している人あり。10年ぶりくらいで見たな、あの赤と青の縞の縁。今、外国とのやり取りはメールですものねー。
[PR]
by soymedica | 2013-05-15 08:11 | 能楽 | Comments(0)
<< 能苑逍遥(中) 能という演劇を... 銕仙会定期公演5月 橋弁慶 塗... >>