観世九皐会別会 卒都婆小町 寝音曲 烏帽子折

d0226702_011959.jpg観世九皐会別会 
2013年4月27日(土)13時より@国立能楽堂
正面席10000円

卒都婆小町 一度之次第
シテ 駒瀬直也、ワキ 宝生閑、ワキツレ 則久英志
笛 一噌庸二、小鼓 大蔵源次郎、大鼓 國川純
後見 、長山禮三郎、遠藤和久
地謡 五木田三郎ほか

寝音曲 
シテ 野村万作、アド 石田幸雄

烏帽子折
シテ 奥川恒治、子方 奥川恒成、前ツレ 鈴木啓吾
若者頭 中所宣夫、立衆 坂新太郎、長山耕三、小島英明、古川充、中所信吾、池上彰悟、中森健之介、桑田貴志
ワキ 殿田謙吉、ワキツレ 大日方寛
アイ 野村萬斎、深田博治、高野和憲、中村修一、内藤連
笛 一噌隆之、小鼓 幸正昭、大鼓 亀井広忠、太鼓 観世元伯、
後見 永島忠侈
地謡 観世喜正ほか


卒都婆小町。長袴の後見がやってきて桶(卒都婆)を置く。

宝生閑登場。やっと復調の感じではありましたが、やはり昨年と比べると一段体力の階段を下りてしまったな、という感じ。

ゆっくりゆっくりやってきた小町。三の松でお休み。ふと気付いたのですが、100歳の小町も隅田川の母親も基本的に装束が同じ。昔の女性には「結婚前」「結婚後」の二種類しか無かったのでしょうね。
ちょっと笠のかぶり方が良くなかったので舞台に入ったところで後見が直したのですが、それが「あまりに苦しゅう…」のところで落ちてしまう。

年寄りの小町と偉い坊さんとの問答。駒瀬直也って地味な人だけれど上手。このくらいの年齢が却って年寄りらしさを演ずるのに適しているのかもしれない。

ここで隣の席の西洋人の兄ちゃん、なにやらPCとりだす。おお、そこにはこの能の英語の解説が…。誰が入れてあげたのだろう。

最後の小町の舞は金の烏帽子で行われました。
(私にとっては)退屈な曲なのですが、結構今回は楽しめました。でもなぜ最後に突然「悟りの道に入ろうよ」になるのかな。

そうそう、囃子が素敵でした。特に笛が。「晴れの舞台」を皆が感じているようでした。

なお、一度之次第とは観世流の小書きで、最初のワキの次第による登場部分を省いて。囃子方はシテの次第から打ち始め、シテが登場。そして、次第、挿し、下歌、上歌を謡い「あまりに苦しう候ほどに」で休むとワキが次第なしで登場というもの。ワキの登場の時の次第の囃子がないのでこの名前だということです。


寝音曲は何回見ても楽しい曲ですが、やはりこの万作・石田幸雄コンビが最高。見せ場の謡に入るまでのやり取りも楽しい。万作は菖蒲の模様の肩衣、石田は派手な茶色の長裃で装束も華やかでした。


キャストを全て書くのがとても大変な烏帽子折
一人で鞍馬寺を抜け出した牛若、身を守るために商人吉次の一向に加わる。子方の奥川恒成くんはとても上手で、危なげなく見ていられます。子方卒業の曲ですから、気分はもう大人ですね。

夜中に烏帽子屋へ。盗賊が跋扈するような土地の烏帽子屋が、よく夜中の怪しい客に戸を開けたもんだ、と感心。
そこで三番の左折れを注文。三番ってサイズかな…。立烏帽子を想像していたら折烏帽子でしたが、それじゃどっちに折れているかわからないじゃないの…。

ここで、実は烏帽子屋の女房がむかし牛若につかえていた家来の妹だったとわかるとか、エピソードがやけに盛りだくさんの話。この女房がなかなか宜しかった。

そして吉次が泊まっている宿屋に大泥棒が入るという情報が…。

先遣隊の三人の小泥棒登場。アイの面目躍如。萬斎だけでなくあとの二人(おひげで見えなかったけれどおそらく深田博治、高野和憲)も間抜けな泥棒ぶりを発揮。

さて、彼らの失敗にもかかわらず、大泥棒の熊坂長範がたくさんの部下をつれて登場。
ふっと、気づくと、あら、太鼓いつ来たの。

橋掛かりにずらーーーーっと。長範が豪華ないでたちなのはもちろん、あとも白い袴に金ラメのお召し物で素晴らしい。でも、一人だけ布頭巾に縞の着物という地味な人が。あれにも何か意味があるのでしょう。
でも、いくらずらーーーーーっと並んでも能では橋掛かりの人たちは打たれてしまうのがお約束。小さな牛若に皆さんやっつけられてしまう。この前観たの正尊のほうが空中前転あったり、派手でしたが、今回もお客さんは堪能。仏倒れ、もう少しためのある倒れ方が面白いかな。中所宣夫、頭打ったように見えました(もう、ああいう役をやるにはおじさん過ぎるのでは…)。

謡前列3人までが女性だったのですが、とてもよかったです。今度国立の女性の日に行ってみようかな。


ということで、堪能した一日でした。九皐会、さわやかさが売り。



参考は
能の鑑賞講座三 三宅襄 檜書店
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by soymedica | 2013-05-03 00:16 | 能楽 | Comments(0)
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