第七回萬歳楽座 隅田川

d0226702_22404465.jpg第七回萬歳楽座
2013年4月12日(金)18時30分より@国立能楽堂
正面席12000円

舞囃子 鷺
金剛永謹
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井広忠、太鼓 前川光長
地謡 豊嶋三千春ほか

隅田川 彩色
シテ 観世清和、子方 藤波重光
ワキ 宝生閑、ワキツレ 宝生欣哉
笛  藤田六郎兵衛、小鼓 大蔵源次郎、大鼓 亀井忠雄
後見 片山幽雪、木月孚行、藤波重彦
地謡 梅若玄祥ほか


切符もお高いけれど、いつもの通り豪華メンバーの会。隅田川の地謡なんて、あと九郎右衛門、大槻文蔵、観世喜正…。舞囃子のメンバーは(途中から入ったので誤解があるかもしれませんが)藤田が鷺を披いた時のメンバーが多く、そしてその時の大鼓は亀井広忠のお爺さんだったとか言う話。

切符が高いから売るのに苦労しているのか、今まで能に来なかった層に売ろうとしているのか、この会の客層は物凄く変わっている。というか、売る先をちょっとは考えた方が良いかも。
私のそばに座っていた夫婦と思しき60歳位のカップル。奥様は派手な色のややボディコン風のスーツ。恰幅の良い御主人はダブルのスーツ。ややマフィア風のいでたちは良いとして、二人で舞台見ながら感想を述べる。奥さんの方は多少能を知っているらしいが…。そして極めつけは隅田川のクライマックスで子供の幻影が母の袖の下をすり抜けるところで、旦那の方が声を出して笑った!!
自分の家でTV見てなさいよあなた。

と、若干ストレスフルな観能でありましたが、舞台は素敵でした。

舞囃子という若干地味な出しものでも、解説があると興味が深まるものです。曲のめでたさ、独特の足遣い、などの話がでました。金剛永謹という人はとても大柄な人なので損をしている、というのが大方の見方らしいのですが、確かに見栄えがします。女をやるときは損かも。鷺の足遣い、って横あるきなんですが、鳥ってそんなことしましたっけ。


隅田川は彩色(いろえ)。これは舟に乗る前にシテが、「わがおもうひとはありやなしやと」という謠のあとに舞台を一周する動作をいれそののち、鳥に目を留め「のう舟人どの」とよびかける、というものだそうです。

本日は宝生閑・欣哉の親子コンビ。閑の出だし、が今一つだったのでドキドキしましたが、舟中での語りはさすがでした。

シテの装束はグレーの水衣でした。裾のみが見える着物の模様はなんと稲穂。本日は3月の15日。京都を発ったのが秋だったのですね。
そして持っている笹は枯れ笹。悲しい感じを盛り立てます。笹を地面に打ち付けるところがあるのですが、かなりの葉っぱが飛び散って後見がごそごそ集めていました。

それにしても観世清和ってつくづく上手だな、と。舞や詞章が上手なのもちろん、地謡を聞きながら涙を抑えるところ、ちょっとうつむき加減のその角度まで綺麗。船頭の語りを聞きながらの微妙な仕草が絶妙。本日来て本当に良かったと思いました。

横道萬里雄の「能にも演出がある」によると、隅田川は色々な上演方法が考えられる能で、実際に囃子から作り物までかなりのバリエーションがあるらしいです。それだけ昔から皆に愛されてきた作品なのでしょう。
また見たいな、と思う作品です。


参考は
能にも演出がある 横道萬里雄 檜書店
[PR]
by soymedica | 2013-04-15 22:45 | 能楽 | Comments(0)
<< 能 現在の芸術のために 土屋恵一郎 木母寺探検 >>