神遊十五周年記念公演(第45回公演)道成寺

d0226702_2364237.jpg神遊十五周年記念公演(第45回公演)道成寺
3月22日(金)19時より@国立能楽堂
正面席12000円

仕舞
網之段 片山九郎右衛門
西行桜 観世喜之

道成寺 赤頭
シテ 観世喜正、ワキ 森常好、ワキツレ 館田善博、森常太郎
アイ 井上松次郎、野村又三郎
笛 一噌隆之、小鼓 観世新九郎、大鼓 上原弘和、太鼓 観世元伯
後見 観世喜之、古川満、遠藤喜久
地謡 片山九郎右衛門ほか(6人)


早い桜が咲きだして、もう東京も桜は4分咲きくらい。席に着こうと思ったら隣の40歳くらいの物凄くドレスアップした女性が荷物を私の席の前にまで広げて…。「あのー」と注意を促したら「あ、大丈夫です」って、どういう意味?

ま、それはともかく仕舞で心を落ち着けて道成寺へ。観世喜之は幾つかな。もう枯れに枯れた印象。

橋掛で切り火が切られて、いよいよ道成寺(翁意外でもやるのですね)。皆長袴ですが、狂言鐘後見はさすがに普通の袴。先頭は誰だろう、狂言共同社はあまりなじみがないのでわからない。かなりスレンダーな人で手が震えている。これ、身長も合わせないとつらいでしょうね(今回はほぼ同じ)。
無事鐘が釣られて、でも、観世喜正は大きな人だから(装束はすべて誂えるそう)低すぎるのでは、と思ったらシテが烏帽子をつけている間にちょっと高くしていた。

森常好登場。気のせいか謡がおどろおどろしく、短調といったイメージ。
ついで謎の女登場。私の座っているところからは、揚幕が上がってから相当気を持たせて待ったあげく、スタスタ登場。で、おろされた幕の前にじーっと立っているので、なんだか湧いて出てきたよう。気の良い能力の兄ちゃん(井上靖浩改め松次郎、なかなか良かったです。もちろん野村又三郎も)をだましてまんまと寺に入り込む。

いよいよ乱拍子。おどろおどろしさたっぷりで楽しかった。鐘に引きつけられている様子が手に取るように感じられます。前の席の男性二人は飽きちゃったみたいで、前回の講座のパンフ読みだした。そして隣の「大丈夫です」姉さんは寝てました。でも、凄ーく良かった。
実は前回道成寺を見たときには小鼓にばかり注目していたのですが、今回後半入る大鼓も良かった。

で、鐘の中にはいってしまう。この鐘入りが良かった、悪かったと言うのが見巧者の間で評判になるそう。ダイナミックな場面で見せ場であるのは違いないけれど、一瞬ですからね、私としては今回も面白かった以上の感想が書けると言うのが驚き。能力が驚いて駆け付けると、鐘は落ちているうえに熱い。しょうがないから上司に報告。謝るしぐさのときにはてのひらをぴったり地面につけるのですね。

ここからは任せてください、と偉いお坊さんの森常好一行が頑張る。この角帽子の模様が金が透けるデザインできれい。後ろ姿を見せることが多いので、じーっと見てしまった。
すると、鐘が動き出して、蛇が…。

普通は白い絹の鱗をかぶっていますが、本日は水色とグレーの二色模様のオシャレな鱗。センスの良い蛇です。
もったいないことに途中でこれは脱皮してしまうのですが(鱗落としというのだそう)落とす前から後見が拾いに行く姿勢を見せるのはいかがなものか。

祈り倒された蛇女はどこかへ消えて行きます。そして偉いお坊さんは腰帯と揃いの色使いの立派な扇を広げて喜ぶのでした。

後半の蛇女より、前半の女の方が良かったな。

ところで、この道成寺の話というのは熊野観光に行く人をなんとか自分の寺に立ち寄らせようと頑張って作った絵巻物によるらしいですよ by 田中貴子「あやかし考」。面白い本ですから是非。
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by soymedica | 2013-03-24 23:09 | 能楽 | Comments(0)
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