国立能楽堂特別公演3月 花盗人 草紙洗小町

d0226702_2395249.jpg国立能楽堂特別公演
3月20日(水)13時より
正面席7500円

仕舞 宝生流
蝉丸 三川泉

狂言 花盗人
シテ 野村萬斎、アド 野村万作

能 草紙洗小町 替装束
シテ 観世清和、子方 藤波重光
ツレ (壬生忠岑)坂口貴信 (官女)坂井音晴、武田宗典 (凡河内躬恒)角幸二郎(紀貫之)観世芳伸。
ワキ(大伴黒主)福王茂十郎
アイ 石田幸雄
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 観世新九郎、大鼓 安福光雄、
後見 武田宗和、上田公威
地謡 角寛次郎ほか


ちょっと遅れていったので、仕舞が終わってから入るつもりだったら、「私がしきります!」感あふれた劇場の案内係のお姉さんが世話をやいてくれた。

花盗人は絶対に前に見たことあるはずなのに全く思い出せないな、と思っていたら「寝てしまった」と書いていた…。というわけで、初見、面白く拝見いたしました。(ファンには怒られるかもしれないけれど、野村萬斎って若いころの三枝に似てこない?)


草紙洗小町は上村松園の絵で見て、そのうち装束をつけたものを見てみたいな(絵は普通の女性を描いている)と思っていました。扇を頭の上に掲げたポーズが子供心に不可解だったので。

黒主登場。福王茂十郎、立った時の足先がハの字に開くのが面白い。宮中歌合わせに参加するのだが、相手が小野小町では負けてしまうので、ちょっと偵察に行こう、と。石田幸雄と出かけていきます。

小町登場。美人。歌合わせのお題は「水辺の草」。三の松で完成した明日の為の歌を口ずさみます。それを舞台から窺う黒主。
「蒔かなくに何を種とて浮草の波のうねうね生い茂るらん」
が彼女の歌だと聞き知り、手持ちの万葉集にそれを書き込んで「古歌からの盗作だ」と誹謗することにします。

ここで、石田がその歌をさらえるのですが、ぜーんぜん違う歌になっているのがおかしい。それにしても小町の歌、そんなに良いですかね。

当日の宮中歌合わせ、百人一首の読み札から抜け出てきたようなゴージャスな舞台。どうも今回の切符は国立にしては高いな、と思ったけれど、人件費ですかね。
壬生忠岑、凡河内躬恒はしっかり名前がありますが、女性は「官女」とだけ。人丸・赤人の御影(があるものとして)に短冊を捧げます。紀貫之が中々頑張っていて膝行して短冊をとりあげたり、カッコ良い。

「小町の歌は素晴らしいぞ」と天皇が言うと、「それは古歌なり」と黒主が訴え出る。紆余曲折がちょっとあって、小町が草紙を洗って「まかなくに」の歌があとから書き加えられ、墨が新しいために流れてしまうことを証明します。

洗う前に裳着胴になり、おいおい宮中でそれはOKなの?という感じですが、目付柱のところで草紙を洗う仕草が素晴らしい。ここがあの絵のポーズ。

面目を失った黒主は自害しようとしますが、引き留められます。この時代、そういう感覚ってあったのでしょうか。なんだか宮中絵巻の世界とは不釣り合い。やはり室町以降につくられた話なのだな、と思いました。

そして「小町黒主遺恨無く」と地が謡うのですが、そんなに簡単に遺恨が無くなるの?!
替え装束の小書きはここで物着をすることだそうです。金の烏帽子・紫の長絹を着ます。袴はそのままですが赤です。問題の草紙は真中に置きっぱなしなので、地謡後列の彌右衛門がひきますが、後見が引き忘れたのかと思った…。
そしてここで小町は中の舞を舞って喜びをあらわしてめでたしめでたし。

綺麗だし、中々楽しい曲です。でも、謡も難しそうだし、舞台も人が多い分タイミングが大変そうですね。素人受けしそうなのにあまり出ないのはそのせいでしょうか。今日みたいにきっちりやるのは御家元で無いと大変なのかも。

あれ、壬生忠岑、凡河内躬恒、立派な名前のついた役なのに、最初の同吟以来何にも話さなかったような気がする。


シテの面は節木増(ふしきぞう)、ツレは小面
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by soymedica | 2013-03-22 23:13 | 能楽 | Comments(0)
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