第17回條風会 湯谷 磁石 春日龍神

d0226702_017570.jpg第17回條風会 
2013年2月23日(土)12時半より@喜多能楽堂
正面席(指定)7000円

仕舞 巻絹 狩野良一
   昭君 金子恵一郎

湯谷
シテ 内田成信、シテツレ 佐藤陽
ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 館田善博
笛 一噌隆之、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井広忠
後見 内田安信、中村邦生
地謡 友枝昭世ほか

磁石
シテ(すっぱ)深田博治、アド(田舎者)内藤連、(宿屋)竹山悠樹

仕舞 高野物狂 道行 塩津哲生

春日龍神
シテ 友枝雄人
ワキ 大日方寛、ワキツレ 野口能弘、梅村昌功、アイ 中村修一
笛 一噌幸弘、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 柿原弘和、太鼓 小寺真佐人
後見 塩津哲生、佐藤陽
地謡 香川靖嗣


久しぶりの能楽堂。最初の仕舞には間に合わず。正面席は満席ですが、その他は空席がちらほら。

湯谷。偉そうな宗盛に続き、しずしずと手紙を持った侍女の朝顔登場。ふと、面をかけた人間が舞台に登場することのあまりの非日常性に気付く。しばらくたつと気にならなくなるのだけれど。やっぱり能って不思議。それと面の色が一の松にいるときと舞台の中とでかなり違って見えるのは角度のせいか、照明のせいか。

この朝顔、声良し、元気良し、なんだが、やや一本調子。手紙を渡すと朝顔退場。湯谷は手紙を宗盛に見せようとするが、「そこで読め」と言われ、良い声で読みます。で、手紙を読むとそのまま下に置いてしまう(後見が引く)。お母さんの大切な手紙をそんな床に置くなんて…。ものの本によると、手紙を置くタイミング、後見が引くタイミングに色々あるのだそうな。

結局花見に連れて行かれることになり、後見が派手な女車に見立てた作り物を持ってしずしずとやってくる。この後見が地味でしかつめらしい感じなので、派手な車の色合いと妙に対照的で面白い。

で、花見から舞、そして帰郷となります。
このシテ、扇の返し方などちょっとしたしぐさにクセのようなものがあってそこが印象にのこりました。
地謡もなかなか良かったなと思いました。


磁石は野村万作一家の若手三人。深田博治、なんだか感じ変わりましたね(良い方に)。大御所万作、石田幸雄、萬斎もよいけれど、こういう組み合わせも楽しい。
なかに「目のさやのはずれた」という文句があって、何かと思って調べたら「すばしこいやつ」ということなのだそう。国立定例公演だったら説明がでるだろうにな。


春日龍神というのは能楽師に好まれる曲なのでしょうか。もう何度目かです。
笛の一噌幸弘って年齢不詳、と思って見ているうちに明恵上人登場。このワキ、大日方と言う人は能楽師の家の出身ではないらしいのだけれど、なかなか素敵です。

明恵上人が唐に留学しようと考えて春日明神に暇乞いをしようと訪れると、宮守のお爺さんが出てきて止める。お爺さん、箒をふりまわして一生懸命です。この時代の日本の船は世界標準から遅れてしまい本当にあぶなっかしかったそうですから(司馬遼太郎によるとたらい舟のようなものだとか)、春日明神のお言葉はそれこそ渡りに船。じゃあ、というので留学とりやめ。留学の危険性>>留学の喜びという時代だったらしい。ましてや日本国内での成功が固ければ、命の危険を冒して行ってもしょうがない。

ところで、後見が寝るってどうなんざんしょ。安心して寝ていられるくらいのシテなのでしょうね。

滑稽な末社の神登場。春日明神は栂尾の明恵上人を太郎、笠置解脱上人を次郎と呼んで、両眼両手と思し召しているなどと、色々説明。末社の神も踊れば良いのに。

いよいよ龍神登場。頭に龍の作りもの。ライオンキングって能のパクリかな。などと思っているうちに華やかな舞台は終わったのでした。


終わってもまだ外が明るい。日が長くなりましたね。
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by soymedica | 2013-02-27 00:21 | 能楽 | Comments(0)
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