ユネスコによる無形文化遺産能楽 第5回公演 恋重荷 隠狸 安宅

d0226702_8195398.jpgユネスコによる無形文化遺産能楽 第5回公演
2012年12月15日(土)13時30分より@国立能楽堂
正面席15000円


恋重荷(金春流)
シテ 金春安明、ツレ 辻井八郎、ワキ 殿田謙吉、アイ 石田幸雄
笛 藤田朝太郎、小鼓 幸清次郎、大鼓 安福建雄、太鼓 小寺佐七
後見 守屋泰利、横山紳一
地謡 本田光洋ほか

隠狸 
シテ 三宅右近、アド 野村万作

安宅 延年之舞 貝立貝付(喜多流)
シテ 粟谷能夫
立衆 谷大作、大島輝久、佐々木多門、粟谷浩之、内田成信、金子敬一郎、友枝雄人、狩野了一、
子方 金子天晟
ワキ 宝生閑、アイ 山本則俊、(強力)山本東次郎
笛 杉市和、小鼓 曽和正博、大鼓 國川純
後見 内田安信、塩津哲生、中村邦生
地謡 友枝昭世ほか


有名な恋重荷。似た題材を扱った「綾鼓」よりやはり作品として完成度が高く、面白く見ることができました。もちろん演者の力量にもよるのでしょうが。
あらすじは皆さま御存知かもしれませんが、高貴な女性に恋をした庭師が「この荷物を持って庭を回ったらお姿を拝ませてやろう」と言われ喜ぶのです。実はその荷物は岩を綺麗につつんだもので、持ちあがるはずが無い。絶望して死んだ庭師を見に来た女御は怨念のために動けなくなってしまう。そこに鬼になった庭師がやってきて女御を責めるけれど、最後は「あなたの守り神になろう」と言って去っていくというもの。

最初に後見が重荷を軽々と(!)持って登場。次いで全くの静寂の中、女御とワキの白河院の臣下がやってきます。全く音楽の無い中、臣下は名のります。最初の地謡のところまで全く音楽なし。私は観世流の詞章を持っていたのですが、これが金春と色々違って面白かったです。最後突然鬼が「守り神」になってしまうところが詞章のみだと唐突な感じなのですが、舞台になるとあまり気になりませんでした。

シテはちょっと特徴のある鼻にかかった謡で面白い。つま先が開いてハの字になっている足さばきが特徴的。
ツレも謡は少ないけれど良かったです。ただ座っているだけで「煩く」感じる人というのがいますが、煩くなくしかも存在感ありました。

この演目は初めてだったので、もっと良く知っている曲でこのシテをもう一度見てみたいです。そういう楽しみ方ができるのも能ですね。


隠狸。どーいうわけか、所々眠気が我慢できず…。せっかくのコンビだったのに残念。忘年会続きだからかな。でも、後半は何とか起きていましたよ。小舞、練習して忘年会でやったらどうかな、とぼんやり見ていました。もっと気を入れてみておくべき演者だったのに。


安宅。やっぱり宝生閑は良いです。ワキ狙いで切符買ってみようかな。そして強力が東次郎。山本則俊も良かったです。
あ、肝心のシテ。粟谷能夫って、ハンサムですね。弁慶と言うにはあんまり強そうではないけれど。前に見た香川靖嗣の安宅とは、同じ喜多流といってもずいぶん受ける印象が違う。香川は意識して力強さを前面にだしていましたが、こちらは群舞を見るよう。
勧進帳を読み上げるときの動きは観世流の方が大きいですかね。

無事関を通過し、追ってきた富樫との宴会では大きな舞を舞って(延年の舞の小書付きのときには扇を左手に持ち替えたら飛び上がるから良く見るように、とパンフレットに丁寧に書いてあって親切)、長居は無用と一目散に逃げ出します。

いくら相手が怪しくても、多勢に無勢だったらいったんは関を通し、追いかけて酒を飲ませて情報をとるくらいしかできないだろうし、富樫はお役目御苦労さまなことでした。
でも、普通だったらあそこで賄賂を渡して通ることを考えるのではないだろうか。


どういう経由で切符が売られたのか、「能は初めて」という方たちが私の周囲には多かったようです。皆楽しんでくれたかな。
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by soymedica | 2012-12-19 08:22 | 能楽 | Comments(0)
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