第6回萬歳楽座 神楽式三番叟 猩々(乱)

d0226702_23415068.jpg第6回萬歳楽座
2012年10月16日(火)18時半より@国立能楽堂
正面席12000円

一管 平調音取(ひょうじょうのねとり)
藤田六郎兵衛

神楽式三番叟 双之舞
三番叟 野村万作、野村萬斎
千歳 野村裕基
笛、藤田六郎兵衛、小鼓頭取 大蔵源次郎、脇鼓 田辺恭資、飯冨孔明、大鼓 亀井広忠

乱 置壺 双之舞
シテ 観世清和 ツレ 片山九郎右衛門
ワキ 宝生閑
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 大蔵源次郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯
後見 片山幽雪、武田宗和、上田公威
地頭 梅若玄祥

本日はいつも閉っている正面席の後ろ通路反対側の扉が開いて、屏風が見える。菊の花をつけた人がたくさんいて何だろうと思ったら最初に「高円宮妃久子さまご臨席」。…と聞いても、どのくらいの歳のどんな人だかピンとこなかったので、お姿を確認することはできませんでした。
そのほかにもスーツ姿の人、若い人もたくさんいて、妃殿下効果なのか萬斎効果なのかは不明ですが、この会の「裾野を広げよう」運動は成功しつつあるのかもしれないと思いました。


一管。平調というのは低い音だと聞きましたが、なるほど。解説によると雅楽の音程とはまた違うのだそうです。自分でやってみようとは思いませんが、機会があったらもっと詳しく知りたいな。

さて、三番叟。実は見るのは初めて。裕基君、ずいぶん細長くなりましたね。きっちり真面目、という感じ。二人でやる三番叟というのは文楽にはあるらしく、一人が疲れてサボるともう一人が扇であおいでやるといったコミカルなものらしい。こちら狂言はきわめて真面目。藤田家につたわる型付から再現だそうです。
このしぐさ、なるほど民俗学的な解釈を書きたくなるのは納得。それにしても綺麗でした。
万作は肺気腫でも患っているのか、息が荒いのですが、なぜか肩は動かないし声も途切れない。すごい鍛錬ですね。


休み時間にコーヒーをちょと飲んで(眠くなるような曲では無いですが)、猩々(乱)。前回は喜多流でしたが今回は観世。正先に出される壷は前回に比べて随分小さく、腰の高さより低いくらい。大多数の人は観世清和&片山九郎右衛門を楽しみにしていらしたと思うのですが、私の第一は宝生閑。前回の喜多流の大日方寛がとても印象に残ったので、ワキ方第一人者の宝生閑の高風はどんなだろうかと思って。

やはりだいぶ違いました。大日方寛が「金持ちになった」と大見えをきり、では猩々を待つとしよう、と高らかに謡い上げるのに対し、宝生閑は「生活に困らなくなったし、よかったな。恩人らしい猩々に酒をささげるかな」というほっこりした感じ。持っている扇は紺の地に銀で波と月を描いてある綺麗なもの。背中の柄杓も銀色。

前回見たときとずいぶん舞が違うな、と思ったのですが小学館の謡曲集によれば、「和合ノ舞」の場合は最初から最後まで相舞で、「双之舞」の場合はツレが舞い始め途中で相舞になり、ツレが酔い伏してシテが留めるとあります。前回見たのは和合ノ舞(そういう小書きではありませんでしたが)だったかと思われます。

この出演者の組み合わせは凄いなと思うのですが、なんとなくシテに生彩が無かった感じ。そして、地謡、囃子とのバランスも今一つだった感じなのはなぜかな。このメンバーだったらもっと凄くて当たり前、と思ってしまうのがいけないのかもしれませんね。


ここまで読んでくださった方、今回ずいぶん間が空いたな、と思ってらっしゃるかもしれませんね。実は私の高齢の父が脚を骨折、母が右手を骨折ということで、ここのところてんやわんやでございました。舞台を見て野村万作、宝生閑、若いなー、鍛え方が違うなーなどとそちら方面にばかり気が…。やはり健康は大切ですね。
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by soymedica | 2012-10-17 23:50 | 能楽 | Comments(0)
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