観世会定期能9月 松風、天鼓

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観世会定期能9月
2012年9月2日(日)
正面席 12500円

花月、箕被の後から

松風 見留
シテ 観世清和、ツレ 坂口貴信、ワキ 森常好、アイ 石田幸雄
笛 一噌仙幸、大鼓 柿原弘和、小鼓 曽和正博
後見 木月孚行 観世芳伸

仕舞 (略)

天鼓 弄鼓之舞
シテ 山階彌右衛門、ワキ 高井松男、アイ 深田博治
笛 一噌幸弘、小鼓 幸信吾、大鼓 安福光雄、太鼓 三島元太郎
後見 観世恭秀、木原康之


花月から行くつもりだったが物凄い土砂降りでやめる。ついたらちょうど狂言が終わるころだった。

皆が楽しみにしていると思われる風。短冊をつけた松の作り物が正先に出される。森常好のワキの僧登場。何だか訳ありげな松が生えているよ、と地元の人に聞いてみると、長裃を着ているので田舎の教養人かと思われる石田幸雄が松風村雨の旧跡だと教えてくれる。

じゃあ、この塩屋で今晩は寝ようか、というところで後見が汐汲車を出す。オレンジ系統の車に金色の水桶が乗っている。毎回思うけれど、これじゃ本当の汐汲み娘を田舎妻にしたのじゃなくて、都から連れていった妻が戯れに汐汲みのまねごとをしているみたい。

と、奥から本当に綺麗なお二人登場。一人水桶を手にしたほうが坂口貴信。この二人の組み合わせって、声も綺麗だし体格も似ている、内弟子だったそうで息もぴったり。それにしても田舎娘が白、金の市松の水衣、オレンジの着物って幽霊とはいえゴージャス。これをいかにも田舎じみたやぼったさでやってみたらどうなるのだろう。そして烏帽子長絹をつけるところで豪華にするとか。
本日の舞台ではちゃんと潮汲車には桶が二つ乗りました。実際には車を引かない演出だったので残念。

後場では金の烏帽子、紫の長絹で舞います。松のつくりものを回るところが見せ場と言われますが、見せ場を見せ場と感じさせない上手さ。
私は「見留」の終わり方が好きだな、と思ったのでした。
地謡がとてもきれいだった。


休み時間に貰ったパンフレットを見ていたらもう来年の番組一覧。9月に関根祥六がシテですが、大丈夫なんだろうか。


天鼓。弄鼓之舞の小書きつき。太鼓が入ります(今まで観たのは全てこれだったかも)。前場の老父の嘆きのサシとその前後がそっくり飛ばされるのはこの小書きのためなのでしょうか。

山階彌右衛門の声が前場の老父(長髪!)にはどうかな、と思ったのですが、とても良かったです。若さと熟練がマッチして、観世家元兄弟は今が旬なのかも。どうやって年取っていくのかも期待。

ワキの高井松男。この人、体格バランスがちょっと能向きではないのか、装束の袖が短そうなのと、座っているときやや前かがみになりがちなのが気になった。
手足が長いんじゃないか。

後場の舞にカタルシスがあって良かったです。作り物が装束にひっかかって動いてしまったのですが、さして慌てもせずにそれを直すところは場数でしょうか。(向きは直ったけれど、今度は作り物の上が倒れた。)
後見がなんともしなかったのはああいうものなのか、それとも舞が早かったので出るタイミングが無かったのか…。
という、ハプニングがありましたが、今まで何回か見た天鼓のなかで一番楽しめました。
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by soymedica | 2012-09-05 08:15 | 能楽 | Comments(0)
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