国立能楽堂定例公演7月 秀句傘 鵺

d0226702_23344976.jpg国立能楽堂定例公演7月18日(水)18時30分より
正面席4800円

狂言(大蔵流)秀句傘
シテ(大名)山本泰太郎、アド(太郎冠者)山本則秀、(新参者)山本則孝

能(喜多流)鵺
シテ 友枝昭世、ワキ 福王茂十郎、アイ 山本東次郎
笛 一噌庸二、小鼓 林吉兵衛、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯
後見 中村邦生、友枝雄人


やっとの思いでとった正面席。そのかいがありましたがちょっと遅れてしまったので周りの方に御迷惑でした。申し訳ない。

秀句傘。前に見た和泉流(万作)とは細部が違うのみ。(能楽界では)比較的若い三人の演技で楽しく見られましたが、やはり一人もうちょっとベテランが入ったほうが、締まりますね。
泰太郎がなかなか良かったです。


お目当ての。満席。そして本来アイが山本則俊だったのが東次郎になってる(嬉)。ファンですから。小鼓は初めて見る人。

さて、ワキの旅僧登場。福王流も見慣れてくると中々良いものです。今まで見た福王流の方は皆家族(茂十郎と和幸って親子ですよね)だから似ているのか、流儀の特徴なのか、なんとなくいかめしい感じ。
ここでのアイとのやりとり、ベテラン同士なので上手く観客をお話に誘い込むという役割を十分に果たして雰囲気が盛り上がります。

化け物が出るぞ、と言われ暗いお堂の中で待っていると化け物が出てくる。真っ黒な装束でしかも髪の毛で半分顔が隠れていると、何となく川鍋暁斎の幽霊画が思い出される。化け物を化け物と知って会話する。すると「実は自分は頼政に打たれた鵺の亡心」と打ち明け、弔ってくれと頼まれます。
前場と後とで同じように鵺の最後を語るのですが、前の語りは(正体を完全に現わしてはいないこともあり)若干客観的な感じ。鵺は頼政になりきるのではなく、「頼政はこうだったんだよ」という雰囲気で語られます。

東次郎が「旅の御僧は化け物にやられていないか?」と様子を見に来る。そして鵺の物語を語ります。

いよいよ化け物が化け物の姿で登場。旅の僧はあまりの怪しさに思わず立ち上がる。前半黒づくめだったので、後半の金のはいった装束が怪しい。やはり後場でも鵺になったり頼政になったりするのだけれど、こちらは化け物本来の姿であるだけより派手で、しかも頼政になるときはなり切っている。

最後に打ち杖を首の後ろに負ってから、そのまま何度もぐるぐる回ったり後ずさりしながら幕に入ります。そして座っている場所によっては見えないかもしれないのですが、幕の中で膝をつきます。ここの橋がかりの演技がすごくきれい。
ワキが留めて、お客さんもふーっと息を吐いた感じ。

やっぱり友枝昭世は人気ナンバーワンと言われるだけあって、見ていて楽しい。この演目は役者としてお客に「見せたい」ところがたくさんあるものだと思うのですが、そういう意図を感じさせずに話にのめりこませてくれます。

地謡のお互いの音程を合わせようとしない(もちろん節は合っている)ところが気になる人もいるのかもしれませんが、良かったです。

人気役者の後見だから、緊張するのかもしれませんが、あんまり後見がもぞもぞ動かない方が良いかも。後見が中腰になると「今度はシテが何かするのかな」と気になります。単に足がしびれただけかもしれませんが…。


終わって 出たところで雷が。その光に照らされて能楽堂の屋根に鵺?いえいえいつもの白黒斑の猫でした。


面は前シテが真角(しんかく)、後シテが泥小飛出(でいことびで)。

写真は京都二条公園の鵺池碑。鵺の血のついた鏃を洗った池のところの碑です。
参考は 京都魔界案内 小松和彦 光文社
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by soymedica | 2012-07-19 23:39 | 能楽 | Comments(0)
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