銕仙会定期公演 7月 浮舟 蚊相撲 天鼓

d0226702_11371197.jpg銕仙会定期公演 7月
7月13日(金)18時より@宝生能楽堂
正面席6000円

能 浮舟 彩色
シテ 山本順之、ワキ 工藤和哉、アイ 高澤祐介
笛 藤田朝太郎、小鼓 田邊恭資、大鼓 安福建雄
後見 野村四郎、鵜澤光

狂言 蚊相撲 (和泉流)
シテ(大名)三宅右近、アド(太郎冠者)三宅右矩、小アド(蚊の精)三宅近成

能 天鼓 弄鼓之舞
シテ 小早川修、ワキ 福王和幸、アイ 前田晃一
笛 藤田貴寛、小鼓 古賀裕己、大鼓 亀井実、太鼓 小寺真佐人
後見 観世銕之丞、浅見慈一



今回、左右がなぜか空いていて楽チンな席。比較的空席が目立つのはなぜか。

浮舟は、素人「よこを元久」と言う人の作に世阿弥が節をつけたと言われているものだそうです。二人の男に愛された浮舟がそのために成仏できないでいる、という話。でも、基の話では浮舟は尼になったのですよね。

ともあれ、里の女登場。清楚な感じの里の女が傘をかぶって小舟に乗ってやってくる。シテもワキもさりげない演技と謡でとても奇麗。静に中入りするときのしっとりした笛が印象的。

後シテは金色がかった着物に緋の大口。遠目には何となく巫女を連想させる色合わせ。面が増髪(河内作とされていて早稲田の演劇博物館所蔵だそう)。これが鼻筋の通ったちょっとモダンな感じのする美人。能面としてはかなり個性派なのでは。ネットで能楽師が「要注目」とつぶやいてくださっていたけれど、確かに良かった。

一の松でサシの大部分を謡い、「心も空になり果てて」で常座に入りますが、それが彩色の小書きなのでしょうか。
最後は三の松で止めます。このほうが幕入まで間が良いような気がします(ワキには気の毒ですが)。

浮舟というのはあまり上演されないようですが、山本順之の持ち味ととてもよく合っていて清楚な舞台でした。


そしてしっとりと終わった後は蚊相撲。家来を雇ったと思ったら蚊の精だった…。江州(滋賀県だそうです)守山といえば有名な蚊の産地だそうで。
途中で吸い口が抜けてしまったのは残念でしたが、面白かった。


天鼓。弄鼓之舞の小書きで太鼓が入るのだそうです。前にこの人のシテで春日龍神を見ています。変幻自在という感じ。
前シテは唐帽子に法被という名称でよろしいのか、共に細かい柄。これがお対だったらどうなっちゃうのだろう。勅使の福王和幸が大きいだけに、年をとってしぼんだ感じが強調されます。アイも主張せずしかも心やさしい感じで良かった。

そして後シテは楽しげに鼓を打ちます。私の持論として前後で体格が変わったかのように錯覚させられるシテは上手、というのがあるのですが、この人もそう。
若々しく楽しげな舞です。

本日はどれも「また銕仙会定期公演に来よう」と思えるものでした。


ところでこの曲、何か伝承にのっとっているものだとおもうのですが、(七夕伝説だとか、鼓は星を表しているなどとも聞きました)まとまったものが見つかりませんでした。どなたかご存知ですか?
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by soymedica | 2012-07-15 11:56 | 能楽 | Comments(4)
Commented by 感動人 at 2012-07-16 11:53 x
 星は、牽牛(けんぎゅうーアルタイル)です。詳細は、「新潮日本古典集成」、謡曲集(中)486頁にあります。ご参考まで。
Commented by soymedica at 2012-07-16 18:10
感動人さま、ありがとうございます。そこを読むのを忘れていました。さっそく。
ゆっくり「遊んで」きてくださいね。でも、お孫さん可愛いー。(そういえば父が退職した時には何もお祝いしなかった…。もう時効ということにしてもらおう)。
Commented by まさぞう at 2012-07-17 20:21 x
和幸さんは、大柄と私も思っておりました。ところが、福王流家元(父)、和幸(息子)、次男、弟子二人とワキが5人も並ぶ舞台を拝見した際に気がついたのですが、背は皆一緒なのです。でないと装束が大変です。和幸さんは、頭が小さいのでした。プロポーションがモデル並。以前10頭身とおっしゃっていたように思いますが、特に大柄ではないのです。そう見えますけれども。
Commented by soymedica at 2012-07-17 22:07
まさぞうさん、コメントありがとうございます!
そうですか。私は福王家には福王和幸専用の衣装蔵があるのだとばかり(笑)。
「花よりも花のごとく」という能を題材にした漫画があるのですが、その主人公が背が高い、という設定になっていて、作中家元に「お前のために衣装をずいぶん新調させられた」というところが出てくるので。
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