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藪原検校 by井上ひさし

藪原検校 by井上ひさし_d0226702_1821117.jpg6月14日(木)@世田谷パブリックシアター 18時30分より
S席8500円

杉の市 野村萬斎、お市 秋山奈津子、盲太夫 浅野和之、
魚売りの七兵衛/塙保己一ほか 小日向文世、お志保ほか 熊谷真実、
仙台座頭ほか 山内圭哉、初代藪原検校ほか たかお鷹
大鷹明良、津田真澄、山崎薫、ギター 千葉伸彦


哀れなはずの盲人が(悪)運と才能に助けられ、悪の道をつっぱしって盲人の最高位の検校かつ江戸でも有数の金持ちに?!という話。ピカレスク小説を読んでいるよう。
琵琶法師に関する話を読んだばかりなので、なるほどなるほど、と思う細部。そして、「目明きは私たちに『頑張れ』と引き上げようとするが、自分たちと同じ位置に立とうとすると蹴落とすのですよ」という塙保己一の言葉に代表される心理描写。 

井上ひさしの小説はあんまり好きではないのですが(ちょっとだれる感じ)、さすが戯曲の書き手として有名だっただけのことはある、と大満足。
そして栗山民也の演出と書くだけで客が呼べる、というのも良く分かりました。

今回、私としては珍しく友人と見に行ったのですが、彼女も私も共通の感想は:野村萬斎は痩せすぎではないだろうか。舞台映えということがありますからね。でも、ベッジ・パードンの時にも思いましたが「異形の者」を演じさせると現代劇で映えます。今回は語りの芸を聞かせるところもあるし。
もう少し薄汚くても良かったかな。

お市も良かった。江戸時代の肉食系女子。初代のお市は大地喜和子だったというのもうなずける役。
そのほか皆芸達者で、満足できましたが、浅野和之はちょっと昼夜の公演でお疲れだったようですね。若干セリフを噛んでいました。

ということで、絶対お勧めの公演です。

…アフターシアターのレストランの選び方を失敗したのだけが残念。
by soymedica | 2012-06-16 18:06 | その他の舞台 | Comments(2)
Commented by 感動 at 2012-06-18 12:13 x
 先日の、ブログの補聴器は、散々でしたね。
 さた、能だけでなく、ずっと拝見していると、演劇も、目のつけどろが良いですね。これ、私も行きたかったんですが・・。ところで、先の、先の話ですが、来年11月のライマンのオペラ「リア」は、栗山民也さんが演出です。今から、期待しています。
Commented by soymedica at 2012-06-18 20:47
いつも暖かいコメントありがとうございます。
へえ、11月に、と思ったら来年ですかー。
そのころに、日本は日本としてあるんだろうか…と思うほど先行き不透明な世界情勢や経済ではありますが(笑)。

最近、お芝居なんぞ見に行かずにその分、金でも買ってリスクヘッジをしようか、なんて考えちゃいます。
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