第24回テアトル・ノウ 東京公演別会 蝉丸、盆山、鵺

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第24回テアトル・ノウ 東京公演別会
5月20日(日)13時より@国立能楽堂

能 蝉丸 替之型
シテ 片山九郎右衛門、ツレ 味方玄
ワキ 宝生閑、アイ 野村萬斎
笛 杉信太朗、小鼓 幸正昭、大鼓 亀井広忠
後見 片山幽雪、清水寛二、浅見慈一



狂言 盆山
野村裕基、野村萬斎

舞囃子 西行桜
片山幽雪

能 鵺 白頭
シテ 味方玄、ワキ 宝生欣哉、アイ 竹山悠樹
笛 藤田貴寛、小鼓 成田達志、大鼓 亀井忠雄、太鼓 小寺真佐人
後見 観世喜正、山崎正道


とても良いお天気の日曜。ネットショップで売りに出していた藤田六郎兵衛のCDが売れたのに気を良くして国立能楽堂へ。


仕舞や謡の前触れなしに蝉丸が始まります。
引き回しのかけられた萩藁屋が後見の手によって出されます。でも、引き回しはすぐに下されます。場所は大小前。この藁屋の扱いは流儀などによって色々あるそうですが、現代人の目には巨大な鳥小屋のようにも見えます。

宝生閑の清貫は、盲目の皇子を敬いつつ天皇の命令で山の中に捨てる羽目に。蝉丸の面が中々良いです。これから山の中に捨てられて小屋に住むというのに、輿かきをつれて今は床几に腰をかけている。「あら嘆くまじの勅諚やな」の謡が綺麗ですが、だんだん髪を下ろされたりして、自身の境遇がわかってくる。その様子がシテ・ワキの掛け合いが上手いせいではっきり描出されます。

それにしても脇正面だったので後ろ姿しか見えない宝生閑、やっぱり上手。

萬斎登場。私の近辺ではオペラグラス使用率が急に上昇。博雅の三位という庶民では無いというアイにはぴったりの感じ。そして、何かあったら博雅の三位に知らせてくれ、と皆に触れて退場。

右手に笹をもった逆髪登場。面は何でしょうね。眉と頬にくぼみ(笑窪みたいな)影ができています。ところで、本当は正面席が良かったけれど逆髪は結構橋掛りでも謡うので、まあ脇正面でもいいか。
このシテの片山九郎右衛門、上手です。幽雪と親子ってずいぶん遅い子ですね(私はずーっと孫かとおもっていたのですが、後ろの席の方によると親子らしい)。爺さんになるとああいう味が出てくるのだろうか…。
なかなか素敵。
姉弟がであったときには思わずしんみりしてしまった。座敷謡であったというのも納得の詞章の良さ。

そして、地謡も山の中の藁屋の寂しさを謡いあげて雰囲気を盛り上げます。
そのさみしい山中に残る弟を振り返りつつ姉は去って行きます。

楽しかった。そして今回小鼓の幸正昭が良かった(いつも良いのかもしれないけれど、今回気づきました)。


狂言は盆山。盆山は盆栽みたいなものらしいのですが、一種小さな箱庭に作ったものも指すそうです。
その盆山を盗みに入った裕基クン、萬斎が「あれはイヌだ、いや、猿か?鯛かな」というたびにその物まねをする。というもの。もうすこしするともっと上手くなるね(這えば立て、立てば歩めの…)。


は白頭の小書き。味方玄、大活躍です。旅の僧(今度は欣哉)が御堂に泊まる羽目になる。案内する所の物の竹山悠樹がなかなか良い感じ。夜半僧の前に鵺の幽霊が出てくる。もともと化け物なのに、幽霊になるとは。どういう位置づけのものなのだろう。なぜ帝を悩ませにやってくるのかなど、その辺の説明はありませんが。

前シテがいつのまにか(亡心のはずが)頼政になったり猪の早太になったりして鵺を打ち取るしぐさを見ていると、大きさは中型犬くらいなのかしらん。この辺、おもわず引き寄せられる演技です。
そして、打ち取られた鵺(の亡心)は竿を捨てて、中入り。

白頭の小書きでは、後シテの登場のとき、まず半幕があります。幕の両側(だと思う、一方しか見えなかったけれど)でぐるぐると巻きあげるようにあげるのですね。
そして鵺は前半床几を使います。
正先へ出て足を降ろす型もあるので、やっぱり正面で見たかったな。

昔の人は大臣と頼政の機知に富んだ歌のやりとり(ほととぎす、名をも雲居にあぐるかな、弓張り月のいるにまかせて)を聞いて、ああ、あの有名な、と、楽しむのでしょう。私も教養を身につけて隅々まで楽しめるようになりたいものです。


今回役者から囃子までとても満足。

パンフレットの解説は味方健が書いています。(文体が私には若干読みにくいのですが)、力作です。


能の鑑賞講座 三宅譲 檜書店
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by soymedica | 2012-05-23 00:02 | 能楽 | Comments(0)
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