国立能楽堂定例公演 魚説教、藤戸

d0226702_224695.jpg

国立能楽堂定例公演 
2012年5月18日(金)18時30分より
正面席4800円


狂言 魚説教(大蔵流)
シテ(出家)大蔵吉次郎、アド(施主)善竹忠一郎

能 藤戸(観世流)
シテ 観世恭秀、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、野口能弘
アイ 善竹隆司
笛 一噌庸二、小鼓 幸清次郎、大鼓 柿原崇志
後見 木月孚行、木月宣行


本日午前中休みにして昼ごろから出勤。凄く面白いことがあったので、長いけれど書きます。

人気の少ない駅のプラットフォームでアメリカ人とおぼしき小さなお婆さんに道を聞かれた。それが何と、
「Ben & Jerry'sに行きたいんだけれど。ここから幾つ目かの駅といわれたんだけれど、この電車で良いの?」
…そりゃ何じゃ?
「とっても美味しいアイスクリームで行列ができるのよ。素敵な広い通りのあるところにあるの」
私がきょとんとしていたので英語が通じなかったのかと、何回も説明してくれる。
「どこの駅?」 婆さん、きっぱりと「I do not know!」婆さん、あなたは東京の大きさを測り間違っている。アメリカの街ならその聞き方で大丈夫だけれど…。


と思ったら、能楽堂でも前一列がほとんど白人あるいはヒスパニックと思われる人たち。うーむ、アジア人の繁殖力は何処に?(一番若いとおぼしき兄ちゃんは途中でギブアップ。


魚説教。にわか坊主になった漁師が経の代わりに魚の名前を唱えるという話。前に野村裕基クンで見ました。大人がやると味わいが違いますが、やはり子供がもっともらしく経を唱える方が可笑しいかも。

でも、黄色と黒の細かい格子の着物に紺の羽織、鶯色の袴というのは私の趣味ではありません。アドは濃いグレーと白の縞と海老茶の袴。こちらもあんまり。


さて、「反戦の能」と言われる藤戸。(私は反戦の能とは思いません、かなり当時の身分制度を反映しているものかと)。
地謡は坂井三兄弟が前の列で頑張っていました。

次第で登場した前シテ。面は「痩男」と書いてありましたが本当?(痩女でしょうね)。しおしおとした老女。「さてなう我が子を波に沈めしたまいし事には」のせりふが比較的弱いのに「ああ、音高し」の声が大きいので、何となくアンバランスな感じ。

シテはシテとして基本に忠実なのでしょうが、もう少し老女としては姿勢が悪くて前かがみという方が良いのでは。英霊の母ではないのですから、あまりに毅然としていても、と言う感じがしました。
「我が子かえさせたまえや」の部分はシテもワキもさすが。(もっと、ワキが良く見える席を選べばよかった。)でも、国立能楽堂さん、あんなに舞台を煌々と照らさなくても。もうちょっと照明を落とした方が感じが出るし、目も疲れないかもしれません。

アイがあまり馴染みのない方でしたが、なかなか良かったです。

そして後シテ登場。面は河津。おどろおどろしい感じに若干欠けると感じましたが、「胸の辺りを刺しとおし」と、二回杖で脇を指すしぐさ、「千尋の底に沈みしに」と座る場面はやはりベテランの味がありました。
最後に「成仏の身となりぬ」で、杖を落として帰って行きます。

それにしてもワキの「よしよし何事も前世の報い」というセリフといい、成仏してしまう漁師と言い、時代とはいえ悲しい話です。色々考えさせる筋の話でした。

写真はこの季節の箱根ポーラ美術館のレストランからみた山です。
[PR]
by soymedica | 2012-05-20 22:11 | 能楽 | Comments(2)
Commented by 感動人 at 2012-05-21 07:39 x
 そのアイスクリーム屋さんは、多分、青山ヒルズに先月開店したアイスクリーム屋さんでは・・・。
Commented by soymedica at 2012-05-21 11:39
そーなんです。良くご存じですね(職場の若者は皆知っていた)。

長くなるので本文には書きませんでしたが、通りの様子を聞いたらどうも表参道らしい。iMode検索で「表参道 アイスクリーム」と引いたら表参道ヒルズにあることがわかったので、「表参道ヒルズ」とメモに書いて、「これを見せて行くんだよー」と、別れました。

そのうち私も食べに行ってみようと思います。
<< 第24回テアトル・ノウ 東京公... ビジュアル版日本の古典に親しむ... >>