近代能楽集 三島由紀夫 新潮文庫
あまりに有名。高校の授業で卒塔婆小町を読んだはずなのだけれど、まーーーったく覚えていなかった。
皆さんご存じと思いますが、邯鄲、綾の鼓、卒塔婆小町、葵上、班女、道成寺、熊野、弱法師からなっています。シチュエーションを現代に持ってきただけでなく、展開をひねって結末を逆にしたり、替えたり、主題を変奏したり…。上手だな―と思います。
能の物語って、読んだ人の数だけ解釈と感想があるような筋立てのものが多いと思いますが、物語の選び方、展開のさせ方、まとめ方がさすが。実際に良い役者で舞台で見てみたい。
実は三島由紀夫って長編を何冊か読んであんまり趣味じゃないな、と思っていたのですが、今回は楽しめました。