銕仙会定期公演〈12月

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銕仙会定期公演〈12月〉
日時 2011年12月9日(金)午後6時開演 (午後5時30分開場・午後9時頃終演予定)
会場 宝生能楽堂
正面席6K円
 
梅枝 越天楽  
シテ 浅見真州、ワキ 宝生閑、ワキツレ 大日方寛、御厨誠吾、アイ 山下浩一郎
笛 松田弘之、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯
地頭 浅井文義、後見 野村四郎、永島忠侈


狂言 柑子
シテ 野村萬、アド 野村万蔵

大会
シテ 西村高夫、ツレ 馬野正基、ワキ 森常好、アイ 野村 扇丞、野村 万蔵、野村太一郎、吉住講
笛 藤田次郎、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 原岡一之、太鼓 大川典良、地頭 山本順之
後見 観世銕之丞、谷本健吾


例の如く滑り込みセーフ。梅枝は講座もあったらしく行きたかったな。新しい研究成果を取り入れた節付けが「梅が枝にこそ鶯は…」のところになされているらしいです。
さて、中にシテのは言っているらしき作り物の家が出される。宝生閑の僧が旅をしていると雨が降ってきて一夜の宿を乞う。本日の数珠は白銀の房が二つ。いったいこの人は何本数珠をもっているのだろう。

シテは渋めのとても奇麗な衣装を着た年のころ(今で言うなら)40位?当時は30歳くらいの感覚だったのかも。いや、もっと若いか。とにかく、銕仙会所蔵の装束がもともと趣味が良いのか、それとも選ぶ人がみな良い趣味なのか、いつも素敵。

一夜の宿をかりた家には太鼓と舞の衣裳が置かれている。そして主の女は楽人の富士と浅間の争いを語って実は自分はその妻の幽霊だと言うのです。よく考えてみると、幽霊屋敷の話ですよね、能って。そして、この富士と浅間という名付け方、なにか意味がありそうなのですが、調べる時間と気力がありませんでした。富士太鼓でも見る機会があったらそのときに。

太鼓の作りものが出されているのですが、何事か後見に耳打ちする人あり。何だったのだろう。ま、シテが中入りすると太鼓の脇にかけられていた衣を後見が掛っていた横木ごと引きます。ネット検索だと、衣裳だけ引いて横木が残るタイプのものもあるようです。

そしてアイ登場。長袴なのはなぜでしょうか。なかなか、しっとり聞かせる形です。何ゆえ争いがあったか、どのように富士が殺されたか、というのは流儀や解釈によっていろいろあるらしいです。

そしてなぜかアイが退場してから、後見が撥を置きにきます。まるでさっき忘れたかのような感じのタイミングなんですが…。

いよいそ美しいかぶり物を被った主が夫の衣装を着て登場。太鼓をたたいて舞ます。浅見真州は前に天鼓を見たことがあるのですが、謡より仕舞が印象的な人ですね。素敵でした。謡は何となく私の趣味では無い。もそっと強い方が…。
今回の地謡はものすごく綺麗でした。普段が太棹なら、バイオリンの感じ??
そしてシテは静かに幕入りします。退場のときの拍子はワキが踏んでいました。初めて見ました。


さて、狂言の柑子。この間萬斎の太郎冠者で見たばかり。人によってこんなにも印象が違うかと。言葉も若干違うかもしれない。万作、萬がやると憎めないこすっからさが出てきますが、これはやはり年の功でしょう。


大会。面を二重に掛けるので有名ですが、もともとは喜多流だけのやり方だったらしいです。
さて、僧がつかつかとやってきていきなりワキ坐で歌いだします。いつも足をだしたり、ぐるりと回ったり、もったいぶっているのに、ふーん、そういうのもありなんだ。怪しげな山伏がやってきてお礼を言います。この山伏の面は筋男というのだそうですが、なかなか面白い。命を助けられたお礼に釈迦の説法の様子を見せよう、と言います。

アイの木の葉天狗(要するに下っ端の天狗)4人が登場。みんなで親分がお釈迦様なら自分たちは何になろうかと可笑しな相談。学芸会のつもり。じゃあおびんずる様になろうと、舞台で物着をします。普通は退場するらしいのですが、後場まで残ってお釈迦様の両脇にそれらしく控える演出。(85年に、天狗の化身の鳶が助けられる場面を新作したときのものだそうです)

ありがたーいお釈迦様登場。頭が大きく4頭身くらいのお釈迦様が橋掛りでありがたーい謡を謡うと、観客の私もありがたーい気持ちになってくるから凄い。積極的無神論の私ですが、どこかで文化的に刷り込まれているのですね。でも、面を2枚も掛けているとは思えないはっきりした謡。

そして大きな椅子に釈迦が腰をかけて両脇におびんずる様が。ワキが感涙にむせんでいると、帝釈天が「こらー!」とやってくる。このとき逃げる木の葉天狗が可愛い。みんなしゃがんだままチョコチョコと凄い勢いで左右に散っていきます。

そして、今度は後見の掲げる衣の陰でもとの天狗の姿になるのですが、囃子の中でやってくる後見の足取りもマーチ風なのが可笑しい。

そして逃げて行く天狗は一畳台の角にぴょんと飛び乗り、飛び降り、去っていきます。これはもともと金春の型だとか。

スペクタクル感満点です。華やかだし。中学生や高校生に能を見せることがあるようですが、「井筒」なんて見せて退屈させるより、こういうものをとっかかりにしてはどうでしょうね。


参考は清田弘 能の表現 草思社
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by soymedica | 2011-12-10 23:17 | 能楽 | Comments(0)
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