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観世会秋の別会

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観世会 秋の別会
2011年10月2日
11時より。正面席13500円


屋島 大事 語奈須
シテ 観世清和、ツレ 坂口貴信、ワキ 宝生閑、アイ 山本泰太郎
後見 木月孚行、地頭 角寛次朗
笛 一噌康二、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 亀井忠雄

狂言 栗焼
太郎冠者 山本東次郎、主 山本則俊

采女 美奈保之伝
シテ 谷村一太郎、ワキ 森常好、アイ 山本則秀
後見 観世恭秀、地頭 坂井音重
笛 松田弘之、小鼓 曽和正博、大鼓 安福建雄

仕舞
難波 武田志房
野宮 野村四郎
鵜之段 関根祥六
歌占キリ 山階彌右衛門

石橋 師資十二段之式
シテ 観世芳伸、ツレ 武田尚浩、上田公威、藤波重孝、ワキ 殿田謙吉、アイ 山本則重
後見 武田志房、地頭 岡久広
笛 一噌隆之、小鼓 観世新九郎、大鼓 柿原弘和、太鼓 観世元伯


初めて見る屋島。語那須です。
本日は後見も囃子方も長袴。宝生閑登場。昨日についてご苦労様です。もう80近いのに。
有名な屋島に来たら日が暮れて塩屋を借りようと思う。と、そこに上品な翁とツレがやってくる。どうもこの爺さん、源平の合戦を見てきたように語るし…。そもそも塩屋の主にしては上品。途中でシテの水衣の肩上げをおろすところが面白かった。黄色のきれいな水衣です。錣引のエピソードが語られます。

アイは有名な那須野与一の物語。これを生で見るのは初めて。山本泰太郎はすがすがしい語り口で分かりやすかったです。宝生閑の「ねんごろに語りたもうことかな」も、本当に心から感謝している感じ。それにしても、宝生閑、いつもこんなに声が大きかったか。

後半は有名な弓流し。シテが座って語る部分があります。普通葛桶に座ると思うのですが、なぜか後見が小鼓の床几を取り上げてシテを座らせます。(もちろん小鼓には葛桶を代わりにあげますが。)パンフレットにもなぜか分らず、と書いてあります。三宅襄の本にも、「何か故実があるよしだが、芸に直接関係はないらしい」とあります。これは観世流だけのものだそうです。

後場の面は白平太という秘蔵の面だとあります。前場から装束、面、ともに力が入っている感じがしましたし、家元の芸は安心して見ていられるし、楽しめました。満席に近かったのもうなずけます。

これが終わってかなりの客が席を立ってしまったのもそれはそれでしょうがないと思います。皆さんご用事がおありでしょう。でも、狂言が始まったのに、通路に立って知人とおしゃべりする。ロビーへの扉をあけっぱなしにしておく、そのうえロビーで大声で話す、というのはやめていただきたい。ムカムカしてせっかくの狂言のイントロが頭に入りませんでした。


栗焼。若手の泰太郎君が間狂言で活躍したので、こちらは老人二人(失礼)ですが、それはそれで楽しい。見事な栗をいただいたのに、太郎冠者が何だかんだ言って一人で食べてしまう話。栗を焼くしぐさ、食べてしまうところ、など、見どころ満載。


で、満足したからというわけではないのですが、采女は寝ちゃいました。森常好、こんなに良い声だったかしら、禁煙の成果かしらと思いつつ、夢の世界に。ごめんなさい。パンフレットに「本日の采女の小書き、美奈保之伝、はセリフや謡を大幅に省略するものですよ」と解説が挟み込んである。曲が短くなる小書きだと、誰かが「はしょった」と文句を言うのだろうか。


石橋。師資十二段之式というのは4頭の獅子がでるおめでたい小書きだそう。諸国一見の僧よりは格が上がって、有名な僧が中国見物。石橋を渡って対岸の普賢菩薩の里を見ようと思うが、「危ないよ」と言われて、「そういえばそうだな」とやめちゃう。アイの仙人がやってきて「危ない危ない」と帰る。すると、獅子がやってきて舞いを見せてくれる。親獅子の白頭は作り物から出てきます。4頭の獅子が足拍子を踏んで踊る様は華やか。満足しました。

ところで、「シシジュウロク?シシジュウニダン??」4頭が3段の舞で十二段??
by soymedica | 2011-10-04 23:02 | 能楽 | Comments(0)
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